各地商工会議所が主体となり、会員事業者の商品を紹介する物産展が都内各地で開催されている。出店したことで首都圏での販路開拓や商品開発のヒントを得られたという声が多く寄せられているという。
滋賀・北びわこ13事業者が出品
長浜商工会議所(滋賀県)は1月16~19日、東京・秋葉原の「日本百貨店しょくひんかん」にて、「滋賀・北びわこ『本気の食』届けます」と題した展示販売会を開催した。商品PRと併せて首都圏での通年出品など販路・需要拡大につなげることが大きな狙い。豊かな自然と歴史・文化の中で育まれてきた滋賀の湖北地域・長浜の素材、製法にこだわった魅力ある食品をそろえた。
13事業者のうち3社が店頭に立ち、消費者のニーズや反応を体感した。商品の絞り込みや、事前のSNS発信などそれぞれの準備・工夫の甲斐あって完売となる商品も多数。過去最高の売り上げを達成した。
事業者からは「商品をブラッシュアップするための勉強の機会になった」という声が寄せられた。
紀州こだわりの逸品を集めて
海南商工会議所(和歌山県)は1月21~27日、東京・有楽町の「わかやま紀州館」にて、小規模事業者による物品販売会「こだわりの逸品」を開催した。
和歌山県のおいしい品々がずらりと並ぶアンテナショップだけに、郷土の味を購入するために足を運ぶファンも多い。今回出店した8事業者は、スイーツから海産物、漆器まで幅広く、事前告知で列のできるコーナーもあった。中でも人気のあった「あり長」のしらす干しをはじめ、「青木ファーム&デリ」のドライフルーツや「西村養蜂場」の蜂蜜など、紀州の味覚が集結した。
同所担当者は「各事業者が消費者からの意見を直接伺うことができる販売会だった。この成果を生かした新商品開発ができるはず」と期待している。
商品力向上目指した販売会
宮崎商工会議所は1月18~24日、東京・新宿の「新宿みやざき館KONNE」で、「ひなたプチマルシェ」を初めて開催した。
今回紹介したのは、宮崎初のオリーブ専門店によるオリーブオイル、チョコレート専門店の濃厚チョコレートケーキ、そして宮崎大学の学生ベンチャー企業が開発したサクラマスの水煮という3品。常設商品との差別化や、首都圏出店経験の少ない事業者に絞り、宮崎の新たな名物誕生の可能性をアピールした。アンテナショップという性質上、宮崎に縁のある人や興味を持って訪れる人が多い。商品PRはもちろん、「今後の商品開発に生かせる消費者の声が得られた」と事業者も出店効果を実感している。同所はさらに伴走型支援事業としてのサポートを強化する考えだ。
消費者の声収集し活用へ
小林商工会議所(宮崎県)は1月11~12日、東京・新宿の宮崎県アンテナショップ「新宿みやざき館KONNE」で「小林市物産品PR販売」を開催した。
「元祖風月堂のチーズ饅頭(まんじゅう)」「やみつき梨だれ」など、小林市ならではのひと工夫ある物産品が勢ぞろいした同販売会。同所では、消費者の意見をダイレクトに得られるこの機会を活用し、商品ごとにQRコード読み取り型のアンケートを実施した。宮崎土産の定番チーズ饅頭のアンケート回答では「KONNEで常備してほしい」「チーズ饅頭の認知度がアップすれば売れるはず」などの感想が寄せられている。同所担当者は「お客さまの生の声を受け、今後の事業展開に生かせるようフィードバックしたい」と話し、意欲を見せた。
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