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コラム石垣 2019年2月1日号 中山文麿

日産自動車のカルロス・ゴーン元会長が有価証券報告書の虚偽記載や特別背任容疑で起訴された。

▼彼は日産の業績のV字回復を実現し、経営者として名声を博していた。日産は今や企業価値と技術の両面でルノーをしのいでいる。しかし、日産の社員は研究・開発などの分野でルノーから口出しを受けていら立っていたようだ。

▼ゴーン氏のコストカッターとしての経営手腕は経営の基本であるコスト削減を徹底したものだ。日産の従業員を大量に解雇し、長年、日産と取引のあった下請け会社に過大な値引きを要求した。このような手法は自分を社長にしてくれた先輩に対する配慮や雇用流動性の低いわが国の経営者は取りにくい。一方、同氏は自分のコストカットには甘かった。

▼今回の起訴は検察当局と日産の幹部との司法取引で得られた情報に基づいている。また、その取り調べ方法は人質司法ともいわれ、日本独特のものであり、取り調べ中に、G7諸国で唯一弁護士の立ち合いが許されていない。

▼フランス政府はルノーの株式を15%所有しており、フロランジュ法によって2年以上保有している株式については2倍の議決権を行使できる。国民に不人気なマクロン大統領はルノーと日産の経営統合を行い、例えば仏労働者の雇用の創出面で日産や三菱の国内への工場誘致を狙っている▼わが国では、一般的に社長の暴走をチェックする取締役会のコーポレートガバナンスが機能していない。それを補う内部通報制度も通報した者が報復を受けることが多く制度の本来の趣旨が生かされていない。

▼司法判断や仏政府の介入の是非にかかわらず、日産とルノーの両社の提携が本来のシナジー効果を生むような決着が望まれる。

(中山文麿・政治経済社会研究所代表)

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