パラリンピックのチカラ 里見 紗李奈 バドミントン - パラバドミントン界のライジング・スター

里見 紗李奈(さとみ・さりな)

1998年4月千葉県生まれ、NTT都市開発株式会社所属。

WH1(車いす・体幹が利かないクラス)

ヒューリック・ダイハツJAPANパラバドミントン国際大会2018」での里見紗李奈選手 撮影:吉村もと

東京パラリンピックで、バドミントンが正式競技としてデビューする。その初代女王候補に一躍名乗りを上げたのが、21歳の里見紗李奈だ。

8月下旬にスイス・バーゼルで開かれたパラバドミントン世界選手権に初出場し、WH1クラス女子シングルスで初優勝を飾ったのだ。グループリーグを3戦全勝で突破し、決勝トーナメントでは世界ランカーを次々と撃破。7試合目の決勝戦では前回銅メダルのスジラット・プッカム(タイ)をストレートで退ける完勝だった。

「憧れのスジラット選手と戦えて勝てたことが本当にうれしいです。世界選手権初出場で金メダルを取れたことは大きな自信になりました!」

驚くのは彼女の成長スピードだ。高校3年生だった2016年5月、交通事故に遭い脊髄を損傷。車いすでの生活が始まり、リハビリの過程でパラバドミントンと出合う。周囲の勧めもあり、本格的に取り組み出したのは17年5月のこと。中学時代にバドミントン部に入っていたのでラケットワークやゲーム運びなどは経験が生かせたが、苦労したのは車いすをこぎながらのプレーだ。特に前方へのダッシュは、障がいにより体幹が利かない里見にとって前傾姿勢のコントロールが難しかった。

「練習あるのみ」―車いすを前後に動かしてダッシュ&ストップを繰り返し、フットワークならぬ「チェアワーク」を磨いた。苦しい時に時間を稼ぐクリアなど幅広いショットの習得や精度向上にも取り組んだ。そうして、18年7月の国際大会初出場以降、徐々に世界での存在感を高めている。アスリートとしての目標は「楽しみながらプレーして応援してくださる人たちにも楽しんでもらい、その中でしっかり勝つこと」。そのためにまずは、「経験を積み、自信につなげること」を課題に挙げる。

世界選手権での優勝は大きな一歩。その歩みの先に、東京大会の表彰台も見えてくるはずだ。

クラスごとに異なる多彩なプレースタイルや技術、戦略に注目!

ルールやネットの高さは一般のバドミントンとほぼ同じ。東京2020大会では肢体不自由者を対象とし、二つのカテゴリー(車いす、立位)に分かれ、さらに障がいの程度により全部で六つのクラス別に競う。

競技紹介 https://tokyo2020.org/jp/games/sport/paralympic/badminton/

観に行こう!ヒューリック・ダイハツJAPANパラバドミントン国際大会2019 

日程:2019年11月13日(水)〜17日(日)

会場:国立代々木競技場 第一体育館 *入場無料

星野 恭子(ほしの・きょうこ) スポーツライター 新潟市生まれ。15年ほど前に視覚障がい者をガイドしながら走る「伴走」活動を始めたことでパラスポーツに興味を持ち、取材・執筆を通してその魅力を発信中。パラリンピックは2008年から夏冬6大会を取材 http://hoshinokyoko.com/

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