日本商工会議所は2月28日、新型コロナウイルスによる経営への影響に関する調査結果を発表した。新型コロナウイルスによる経営への影響について、「影響が生じている」は11・3%、「長期化すると影響が出る懸念がある」は52・4%となり、合計63・7%の企業がすでに影響を受けているか、長期化した場合に影響を受ける懸念があると回答した。一方、「影響はない」は21・4%、「分からない」は14・9%であった。「影響が生じている」または「長期化すると影響が出る懸念がある」と回答した企業の割合を業種別に見ると、卸売業が73・7%で最も多く、製造業が69・5%、小売業が65・5%で後に続いた。
具体的な影響の内容としては、「製品・サービスの受注・売り上げ減少、客数減少」が61・8%で最も多かった。次いで、「取引先の生産拠点・仕入れ先の変更に伴う調達コストの上昇」が26・6%、「従業員や顧客の感染防止対策などに伴うコスト増」が24・6%となった。
ヒアリングした企業からは、中国企業を取引先とする企業やインバウンド客の多い百貨店・旅館など、直接的な影響を受ける業態以外の企業からも、感染拡大の長期化により、景気が悪化し、企業の購買意欲や消費者のマインドが悪化することへの懸念が多く聞かれた。また、「業務として中国をはじめ東南アジアへの出張が毎月あるが、現地に行くことができず、作業の遅延や検収の遅れが発生し始めている」(ソフトウエア)、「外国人技能実習生受け入れのための面接が延期される見込み。面接が遅れると入国・配属時期も遅れ、現場の作業人員に不足が生じてしまう」(一般工事)といった声も寄せられた。