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「下町育ちの再建王」の経営指南 巧みにブレて生き残る

〝朝令暮改〟はリーダーのあやふやさを表現した言葉ですが、頑固に意見を変えないのは、考えるのをやめた証拠。今の時代では自殺行為にも思えます。

私が続けている『時流予測セミナー』で20年ほど前、『三年一昔』というタイトルで時流の速さについて解説したことがあります。〝十年一昔〟ではなく、今はもう〝三年一昔〟ですよ、と当時の出来事を例に挙げて説明しました。今また、それと同じ説明をしなければならないときが来ています。

世界的投資家のジム・ロジャーズ氏が昨年9月に来日したとき「東京オリンピックを開催しても、2022年には日本の金融はおかしくなる」と言いました。また、政府はインバウンドを当て込んだ政策を進めてきましたが、想定外の新型コロナウイルス感染症により当てが外れたどころか、経済は停滞する上、国は補填や助成金などの対策費だけではなく、検疫や隔離、医療費や検査費用など感染に対する直接の対策費も膨大な額となり、経済的損失は計り知れません。

世界に目を転じると、新年早々、米国とイランに戦争勃発の可能性が高まりました。トランプ米大統領は選挙のために株価を上げて好景気を生み出していますから、再選されても敗れても選挙後にはその反動が起こり、選挙後は米国で株の暴落が予想されます。当然、わが国への影響は大きいでしょう。

すでに日米の不景気への序奏が始まっています。米国と日本が苦しんでいる間に、新型コロナウイルス対策がうまく作用し、感染をコントロールできれば、23年から26年に中国は経済覇権を握ることになるでしょう。

私の予測では、そうなると基軸通貨ドルに代わり、金本位制に向かいます。すると金の価値が上昇し、極端な場合10倍にもなりかねません。また、保有する金の範囲でしか紙幣を発行できないため、世界の勢力図はさらに変わると思われます。

これからは1年ごとに大きな出来事が多数起こります。昨年の今ごろ、東京オリンピックとインバウンドに日本が浮かれていたことを思い返すと、まさに〝一年一昔〟という思いです。

新型コロナウイルス問題収束の後、1年後の世界はどのように変化しているのか想像してみてください。延期が決まりましたが、東京オリンピックは予定通り開催できるのでしょうか?

〝Think Globally, Act Locally(地球規模で考え、足元から行動せよ)〟という言葉がありますが、加えて長期的視点に立ち、情報を分析して経営のかじを取ってください。

世の中が急激に変わる中、ブレないでいることは自慢にはなりません。日々決断を下し、ブレる準備を怠らず、巧みにブレて生き残るのです。

小山 政彦(こやま・まさひこ) 株式会社 風土 代表取締役会長 (前 船井総合研究所 代表取締役会長) 1947年、東京生まれ。開成高校卒。早稲田大学理工学部数学科卒業後、実家のディスカウントストア経営に携わる。84年、船井総合研究所に入社。6年後には売り上げ3億円のNo.1コンサルタントになる。2000年の社長就任後は大証2部から東証1部上場、離職率20%台を6%までに改善、賞与支給No.1企業など経営者としても手腕を振るう。10年には代表取締役会長に就任。13年3月をもって退任し、現在は㈱風土代表取締役会長を務める。著書に『ベタ惚れさせるマネージメント』(講談社)、『9割の会社は人材育成で決まる!』(中経出版)など多数

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社名:株式会社 風土

TEL:03-5423-2323

担当:髙橋

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