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コラム石垣 2018年10月1日号 神田玲子

第四次安倍改造内閣がスタートする。総理は、先の総裁選で今後3年間に全世代型の社会保障制度を構築することを表明した。目新しい政策を次々と打ち出してきた安部政権は、負担増をなるべく避け、国債の発行によって財源を確保することで国民の支持を得てきた。それが国民から支持されたのも、時に楽観的、あるいは非現実的ともいえる経済前提を置き、将来の安心が保障されているような幻想を国民に与えることに成功したからだ。

▼数年後には、団塊の世代は後期高齢者になり、介護が必要な年齢になる。再び、甘い見通しで負担をごまかすならば、将来の国民生活に大きな禍根を残すことになる。政府が旗印に掲げる予防医療や地域での取り組みによる費用節約効果は不確かである。本当に国民のことを考えるならば、費用負担を含めて、社会保障の在り方を国民に真摯(しんし)に問わなければならない。

▼同時に、政治が解決できることに限界があることを国民に伝えるべきだ。介護問題は合理的判断で割り切れない事も多い。孫が祖父母の介護をしたり、高齢者が独身の兄弟の世話をしたりするケースも増えている。確かにこうした家族介護の姿は日本人の家族を思う精神的な強さの表れである。しかし、だからといって、我慢強い国民性を政府が都合よく利用してよいわけではない。政府が全能ではないことが分かれば、国民が知恵を出し合い、今、地域で生まれつつある支え合いの仕組みづくりが本格化するかもしれない。

▼楽観的な財源見通しや政治の全能性の誇張は、政府が何とかしてくれる、という根拠なき期待を国民に抱かせる。政治家は国民を信頼して、真実を示さなければならない。

(神田玲子・NIRA総合研究開発機構理事)

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