日本商工会議所青年部(日本YEG)では、毎年11月11日を「YEGの日」として、同日またはその近日に全国各地でさまざまな事業を行っている。今回は、「YEGの日」にちなんで実施された過去の事業をピックアップして紹介する。
「YEGの日」とは
誕生のきっかけは、2012年度に、第一回全国大会の開催日である1981年11月11日にちなんで、その日を「YEGの日」と制定したことで、2016年度には一般社団法人日本記念日協会に記念日登録を行った。
「YEGの日」は、11月11日(またはその近日)に各単会・道府県連がそれぞれ事業を行い、YEGの取り組みを積極的にメディアなどへ外部発信することでYEGの存在感を高め、地域の次代を担う必要不可欠な存在としてYEGブランドを確立することにより、単会での会員増強や会員の帰属意識・連帯感の高揚にもつなげていくことを目的としている。
【生徒を知ろう! 会社を知ろう! ~未来へのキャッチボール~】
秋田県連YEG
秋田県商工会議所青年部連合会は、昨年の11月17日に第4回会員大会大館大会記念事業「生徒を知ろう! 会社を知ろう! ~未来へのキャッチボール~」を開催した。
本事業は、企業の発展と豊かな地域経済を築くため、経営者と就職を希望する学生が就職に関する情報の共有をきっかけに、相互成長することを目的としたものである。
当日は、秋田県立大館国際情報学院高等学校と秋田県立大館桂桜高等学校から43人の生徒、YEGから64人のメンバーなど合計107人が参加。YEGメンバー10人(10社)から、自社企業と成功しているビジネスについてのプレゼンテーションを行い、その後、アンケートを交えたディスカッションを行うことで、就職に関する情報共有の場を設けた。
参加生徒が慣れない会場の雰囲気で萎縮してしまうことがないように、プレゼンターであるYEGメンバーがユーモアを交えながらも真剣に自社企業について説明することで、一般的な企業説明会ではなかなか聞くことができない経営者の思いを伝えた。一方でYEGメンバーも、生徒が考えている地元企業や就職先に関する切実な思いを聞くことができた。
生徒の中には「やる気があれば、私も起業して社長になれるのではないかという自信をもらった」「普通の企業説明会では分からない内容を知ることができた」「将来的に親の面倒を見るため、地元企業に関心を持った」など、さまざまな意見や感想があり、相互理解が大いに進んだ。
県内には将来を担ってくれる素晴らしい生徒が大勢いる。企業は、新世代の就職観や人生観に応える受け皿であることが必要であり、企業の発展と豊かな地域経済を築くための未来の担い手の確保のために、ぜひ本事業を参考にしていただきたい。
【YEG DAY】愛知県連YEG
愛知県商工会議所青年部連合会では、毎年11月上旬に県連出向者によって企画・運営される「YEG DAY」を開催している。縁あって1年間同じ時間を過ごすこととなった愛知県連出向者メンバーによる愛知県連YEG最大の事業である。
愛知県内から集まったメンバーにとって、今必要とされる情報と知識習得のために基調講演が行われるほか、体を使った研修も行う。 昨年は、愛知県豊川市を舞台に「フォトロゲイニング」が行われた。「フォトロゲイニング」とは、主催者から配られる地図をもとに、制限時間内にチェックポイントを回り、見本と同じ写真を撮影する競技である。観光名所や寺社仏閣、店舗などがチェックポイントに設定され、それを効率よく巡るために、戦略的な要素もあり、手軽に楽しむことができる。これにより、豊川市内の産業や商店のほか、歴史的名所などを学ぶことができる事業となっている。
今年度は11月4日に開催され、愛知県内から約700人が参加する予定(10月21日時点)となっており、YEGはなぜ存在するのかを、今一度考え直すために実施する。
令和元年度愛知県商工会議所青年部連合会・相川光久会長のコメント
「『YEG DAY』は同じ志を持った仲間が集い、自分たちの成長や地域の発展のために研鑽(けんさん)と交流、情報発信を行う場となっている。愛知県連のために20単会があるのではなく、20単会全ての仲間のために愛知県連がある。地域ナンバーワンの経済団体となるべく、単会の垣根を越え集った仲間の絆をさらに強固なものにし、新しい時代のために活動していきたい」
【YEGの日・光市クリーン計画】
光YEG
光YEG(山口県光市)では、「YEGの日・光市クリーン計画」を実施している。
本事業は、清掃活動による地元地域への貢献と、「YEGの日」に事業を実施することをマスコミに報道してもらうことで、「YEGの日」の認知度のアップとYEG活動のPRを目的とし、2016年度より実施している。
昨年の作業開始は、平日でも多くのYEGメンバーが参加できるように、始業前のまだ薄暗い午前6時30分からであった。約1時間かけて国道188号線沿い(片道約1㎞)の清掃を行ったほか、国道沿いに生えた雑草の草刈り作業も精力的に行い、刈った草は軽トラックの荷台がいっぱいになるほどであった。伸びた雑草の中には2mを超えるものもあり、道路からの視界を遮る危険な状態となっている箇所もあったが、枝用バリカンなども使って剪定したことで見通しも良くなり、地域住民からは「道路の見通しが良くなって大変ありがたい」「継続してぜひお願いしたい」といった感謝の言葉を掛けていただいた。また、地元のマスコミにも取り上げられ、地域の方々に光YEGの活動をPRする事業となっている。
今回は、過去の3事業を紹介したが、今年度も全国各地でさまざまな事業が行われている。日本YEG広報委員会は、日本YEGのホームページ「翔生」でも全国各地のYEG事業の情報を発信しているので、併せてご覧いただきたい。
写真提供:①②秋田県連YEG/③④愛知県連YEG/⑤⑥光YEG
取材:日本商工会議所青年部(日本YEG)広報委員会
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