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「下町育ちの再建王」の経営指南 ビジネスマンの習慣「ほうれんそう・だね」

(職場で使われる)「ほうれんそう」をご存じでしょうか?「報告・連絡・相談」は、どなたもご存じだと思いますが、それぞれがどう違うかを知っている方は少ないようです。

「報告」「連絡」「相談」は仕事の手順が逆になった言葉です。やるべき順番からすると、「相談」「連絡」「報告」となります。まず、何かを始めるとき、こういったことを、いつからいつまでに、何人の人手を使って、このくらいの経費をかけてやりたいと思いますがどうでしょうかと上司に相談します。仕事が始まった後、上の人は進捗(しんちょく)を把握する義務があります。ですから、途中経過などを「連絡」し、プロジェクトが終了したら結果を「報告」するわけです。つまり、上司への前仕事、中仕事、後仕事の大切さを伝えているのが、「ほうれんそう」というフレーズなのです。

私はこれに「だね」をつけて、「ほうれんそう・だね」と教えてきました。「だね」とは、打ち合わせの「打」と、根回しの「根」です。何かを始める前には、それがうまくいくように「打ち合わせ」と、「根回し」が欠かせません。このフレーズは順番が逆ですから、まず「根回し」、次に「打ち合わせ」、そして「相談、連絡、報告」となります。

『根回し』とは、自分はこうしたいが、そのときには協力してもらえるだろうかということを、必要各所で内諾を取ること。例えば、新商品を企画したい時には、話のしやすい取引先に、「このようなものを企画したいのですが、できたときには扱っていただけますでしょうか?」と話して、「面白そうだね、ぜひ置かせてよ」という言葉をもらっておくのです。また、良い仲間が欲しい時には、「こんなことがやりたいと思っているんだけど、一緒にやらないか」とか「力を貸してもらいたい」と仲間を募ることも大切。そういった根回し一つひとつがそのプロジェクトを強固なものとするわけです。上司に相談したときに、「これは売れる見込みがあるのか」と尋ねられたら、「〇〇社には扱ってもらえそうです」と返事ができ、「誰とやりたいんだ」と聞かれたら、「〇〇君に協力してもらいたいと思っています」と答えられます。

『打ち合わせ』とは、大体どのくらいの経費が掛かり、どのようなスタッフがあと何人必要か、など仕事の企画内容で固めておかないといけない部分を関係者で決めておくことです。

この「打根(だね)」ができてから、「報連相」が始まります。若いビジネスマンに「ほうれんそう・だね」を習慣にしてもらうため、意味を含めて伝えていきたいと思っています。

小山 政彦(こやま・まさひこ) 株式会社 風土 代表取締役会長 (前 船井総合研究所 代表取締役会長) 1947年、東京生まれ。開成高校卒。早稲田大学理工学部数学科卒業後、実家のディスカウントストア経営に携わる。84年、船井総合研究所に入社。6年後には売り上げ3億円のNo.1コンサルタントになる。2000年の社長就任後は大証2部から東証1部上場、離職率20%台を6%までに改善、賞与支給No.1企業など経営者としても手腕を振るう。10年には代表取締役会長に就任。13年3月をもって退任し、現在は㈱風土代表取締役会長を務める。著書に『ベタ惚れさせるマネージメント』(講談社)、『9割の会社は人材育成で決まる!』(中経出版)など多数

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