内閣官房、文部科学省、厚生労働省、経済産業省は3日、日本商工会議所をはじめとする経済団体・業界団体に対して、昨年度に引き続き採用選考活動の開始を卒業年度の6月1日以降とすることなど、新規大学卒業予定者などの就職・採用活動開始時期に関する要請を行った。本稿ではその要請内容について紹介する。
①就職・採用活動の日程について、次の通りとしていただくようお願いいたします。
・広報活動(注1)開始:卒業年度に入る直前の3月1日以降
・採用選考活動(注2)開始:卒業年度の6月1日以降
・正式な内定日:卒業年度の10月1日以降
②採用選考活動の実施に当たっては、授業、試験、留学、教育実習など、学生の学修や学事日程に十分に配慮いただき、また、大学所在地による不利が生じないよう留意いただくようお願いいたします。
具体的には、面接や試験の実施に際して学生の事情を十分に勘案し、例えば、授業、ゼミ、実験、試験、教育実習などの時間と重ならないよう設定することのほか、事前連絡について余裕をもって行うことや、土日・祝日、夕方以降の時間帯の活用なども含めた工夫を行うことが考えられます。
③留学中の者あるいは留学希望者において、留学により就職活動で不利になるとの認識が生じることがないよう、一括採用とは別に採用選考機会を設けるなどの留学経験者向けの取り組みを行っている企業は、自社の採用ホームページなどで積極的に周知いただくようお願いいたします。
④学生などの職業選択の自由を妨げる行為(学生などに対して、内々定を出す代わりに他社への就職活動の終了を迫ったり、内々定段階で誓約書などを要求したりするなど)を行わないなど、公平・公正で透明な採用を徹底いただくようお願いいたします。
⑤インターンシップは就業体験の場であることを踏まえ、インターンシップと称して、広報活動・採用選考活動開始前に、広報活動・採用選考活動そのものが行われることのないようにし、インターンシップ全体に対する信頼性を失わせることのないよう留意いただくようお願いいたします。
⑥面接などの採用選考に当たり、大学などにおける成績証明などを一層活用いただくようお願いいたします。
⑦採用選考活動の実施時期が梅雨や夏季に当たるため、学生のクールビズなどへの配慮を行うとともに、その旨を積極的に学生などに示していただくようお願いいたします。
(注1)広報活動=採用を目的として、業界情報、企業情報などを学生に対して広く発信していく活動を指します。広報活動の実施に際しては、それが実質的な選考とならないものとすることに留意いただく必要があります。
(注2)採用選考活動=一定の基準に照らして学生を選抜することを目的とした活動を指します。採用選考活動は、広報活動と異なり、学生が自主的に参加不参加を決定することができるものではないため、学事日程に留意いただく必要があります。
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