少子化対策や地域活性化の観点から「婚活事業」に取り組む商工会議所は、全国で約170カ所、年間約280回、参加者数は2万2000人(平成25年度)にも上る。定番事業だからこそ必要な創意工夫をした各地の事例を紹介する。
大田原商工会議所(栃木県)では平成23年度から、少子化対策としての「婚活事業」に本格的に取り組んでいる。「多くのカップルを成立させること」に主眼を置き、いわゆる中心市街地活性化のための「まちコン」ではなく、カップルを成立させ、結婚に結びつけるための「婚活事業」を開催している。
特筆すべきは、そのカップル成立率の高さにある。昨年10月に実施された「おおたわらde逢いましょう」には、男性20人、女性16人が参加。半数以上の10組がカップルとなった。
成立率の高さの秘訣は、その内容にある。まず、地域らしさが感じられる場所で、共同作業を通じてお互いを知るところから始まる。もちろん、時間を区切ってグループを変更したりと、細部にわたり練り込まれたスケジュールが組まれ、参加者は飽きることなく楽しむことができる。昨年は公民館での菓子づくりやパーティーゲーム、一昨年は映画のロケ地となった小学校が会場となった。その後、盛り上がってきたところで、雰囲気の良い場所へ移動。今年は貸し切られた水族館でナイトビューを楽しんだ。
同事業では、よくあるお見合いパーティーより長い時間を設定している。半日きっちり組まれたスケジュールの下、相手としっかり話ができるため、参加者からは好評を得ている。また、テンポよく進行することで、高揚感も生まれるという。
同事業を通じて交際を始めたカップルが、来月には結婚式を挙げる。着実に結果を残しているこのイベントは、今秋にも開催される予定だ。
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