少子化対策や地域活性化の観点から「婚活事業」に取り組む商工会議所は、全国で約170カ所、年間約290回、参加者数は2万人(平成26年度)にものぼる。定番事業だからこそ必要な創意工夫をした各地の事例を紹介する。
都城商工会議所(宮崎県)は平成23年5月~28年1月までに開催した婚活事業で、累計102組のカップルを誕生させた。同所では5年前、地域活性化と少子化問題解決のため、婚活事業に着手。「カップル成立100組」を目指して毎年2~4回のペースで開催し、ついに今年1月、目標数に達成した。
カップル成立の秘訣は、毎回試行錯誤を繰り返し、企画に妥協しないことにあるという。例えば、定番であるホテルの宴会場だけでなく、「まちコン」タイプにしたり、会場を高千穂牧場など屋外にし、アクティブなイベントにしたりと、さまざまな角度から参加者が楽しめる内容の吟味を毎回行った。また同所青年部などからの協力も得て、イベント自体を盛り上げたことも、大きな要因となった。
さらに、商工会議所が主催であるため、参加者からも「安心感がある」と、積極的に参加してもらえた。回を増すごとに口コミでその評判が広がり、市外からの参加希望者も増加。そのため、市外の人にも新たな出会いの場を創出できた。
同所では、当初の目標数を達成したことと、宮崎県が昨年度より「みやざき婚活サポートセンター」を開設したこともあり、同事業の役目はある程度果たしたとして、一旦幕を下ろした。同所は、「今後も地域に喜ばれる事業を展開していきたい」と話している。
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