田辺商工会議所(和歌山県)は6月25日、さまざまな業種の人たちが共有できるコワーキングスペース「ワークスペース駅前」を開設した。今年9月まで3カ月間限定の実験事業で、同所の「サテライト経営相談窓口」も兼ねて運営する。地方都市でのコワーキングスペースの需要を調査し、JR紀伊田辺駅前に田辺市がビジネス交流拠点として来春オープンする「市街地活性化施設」の利用につなげることが狙いだという。
JR紀伊田辺駅から徒歩2分。駅前商店街の洋服店だった空き店舗を活用して、個人事業主などがデスクや事務機器、ネットワーク設備などを共有しながら仕事を行えるコワーキングスペース「ワークスペース駅前」の実験事業が始まった。広さ40平方メートル。個人用の仕切り付きデスク6席、打ち合わせ用テーブルやプリンター複合機、Wi-Fiなども完備している。
6月25日のオープニング記念イベントでは、「コワーキングの楽しい上手な使い方」と題してトークライブが開催された。デザイナーの森脇碌氏、コワーキングスペースを展開する小泉博史氏、まちづくりに関わる建築士辻喜彦氏の3人がそれぞれの経験を生かした独自の視点で、共有の仕事場を活用したまちづくりについて語り合った。単に場所を共有するというだけでなく、利用者同士の交流や協働など、コミュニティーが生まれる可能性や立地の良さから新しいビジネスへの発展も期待されている。
営業は平日のみで、10~17時。料金は1時間500円、1日1500円、月会員は1カ月1万円。貸し切り利用も可能だ。今後、利用者にアンケート調査を行い、意見や要望を集約して、来春完成する「市街地活性化施設」の開設に備えていく。同所職員らが常駐しており、希望者には経営相談にも応じる体制だ。
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