情熱ぴーぷる 第16回女性起業家大賞・スタートアップ部門最優秀賞

人と農をつなぎ、地域の活性化図る

農プロデュース リッツ 代表 新谷 梨恵子(あらや・りえこ)

農プロデュース リッツ 代表 新谷 梨恵子(あらや・りえこ)

農家の悩み解決の力に

私は東京生まれ、東京育ちですが、15歳のころから農業に興味を持ち、「農家の嫁」になりたいと思っていました。東京農業大学へ進学し、卒業後、新潟県小千谷市へ嫁ぎましたが、嫁ぎ先は農家ではなく、畑も田んぼもありませんでした。そこで農業法人に入社し、コメやサツマイモなどの栽培、営業、販売に携わることに。その仕事の一環として、自社で栽培したサツマイモを使ったスイーツを開発。それは、県内の学校給食で利用されるようになりました。

そうして10年間、農業の現場に関わるうち、人手不足や販路など農家が抱えるさまざまな問題に直面し、自分の経験を生かして何か手助けができないかと考えるようになりました。これからの時代は、農産物の生産から販売までの仕組みづくりや高付加価値化を担う、「農業をプロデュースする人材」が必要ではないか。そう思い、「食の6次産業化プロデューサー」の資格を取得、県の6次産業化プランナーに登録し、「農プロデュース」を行う会社を立ち上げました。

当社の経営理念は、「人と農をつないでおいしい笑顔を届ける」こと。仕事は大きく分けると、①プランナー業(販路開拓、新商品開発などのアドバイス)、②農家の営業代理店(農産物販売)、③「さつまいも農カフェきらら」の運営、④農家への人材派遣の四つです。これらの事業を通じて農産物を上手に売る仕組みをつくり、人材育成し、地元野菜の魅力を伝えています。

前例のない事業へ挑戦 地域活性化に貢献も

「農プロデュース」という事業は前例がなく、土地を持たずに農業界で独立するのも大変不安で、未知なる世界への挑戦でした。私が目指すことは目に見えにくく、起業時にカフェを開店したことから、「農業を辞めてカフェのオーナーになりたかったんだ」「結局農業界から離れてしまうんだね」と言われることもあり、事業を認知してもらうのに苦労しました。

しかし今では、店を持ったことで農家と飲食店、消費者の距離を縮め、つなぐことができたと思います。「この店があって良かった」と思ってもらえるようカフェではさまざまなイベントを企画し、異業種とのコラボレーションで横のつながりを深め、地域活性化を図りたいと考えています。この店をきっかけにして、多くの人に小千谷を訪れ、ファンになってほしい。特に小千谷の子どもたちには、小千谷で生まれたことを誇りに思ってほしいのです。おいしい味の記憶はずっと残るもの。この仕事を通じて、「ふるさとのおいしい笑顔」をつくり、大人になって小千谷を離れても、「小千谷って良いな」「サツマイモが懐かしいな」「また帰って来たいな」と思えるようなまちづくりに貢献したいと思います。

5年後、10年後にはカフェの人気メニュー「焼きイモソフトクリーム」が小千谷の名物として定着していることを祈っています。事業を通して、起業の際にお世話になった多くの皆さんへ恩返しができるよう尽力してまいります。

会社データ

社名:農プロディース リッツ

所在地:新潟県小千谷市桜町2495-1

電話:0258-94-5995

創業:平成27年8月

事業概要:農プロデュース、販売、飲食(さつまいも農カフェきらら)

HP:https://blog.goo.ne.jp/ritz5323

※月刊石垣2017年12月号に掲載された記事です。

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