前橋商工会議所(群馬県)は、自転車を活用したまちづくり事業の一環として4月3日から、GPS機能付きの回生電動アシスト自転車100台を市民らに貸与し、利用状況を調査するモニタリングを開始した。モニターは会員企業や市民、団体、大学などから選出。4〜8月と10月〜2021年3月の2期に分けて実施し、得られた移動データやアンケート調査の結果を分析してシェアサイクル化や自転車利用環境の整備などを検討する。
前橋市では、19年に市が策定したまちづくり戦略「前橋市アーバンデザイン」や同所の「グリーン&リラックス構想」に基づき民間主体の新たなまちづくりが進められている。その動きと合わせ、市は国土交通省と経済産業省が新しいモビリティサービスを支援するプロジェクト「スマートモビリティチャレンジ」の採択を受けて公共交通ネットワークの再構築を推進し、MaaS(モビリティ・アズ・ア・サービス)環境の整備を進めている。
その中で、市街地の活性化にもつながる環境に配慮した交通手段として自転車の活用を検討。同年11月28日、同所と市、太陽誘電、ブリヂストンサイクル、ICTまちづくり共通プラットフォーム推進機構の5者が連携協定を締結し、シェアサイクル導入に向けた取り組みを始めた。今回の調査は、その一環だ。
回生電動アシスト自転車は、ブレーキ作動時に発電する“走りながら充電できる自転車”。太陽誘電がGPS機能などを搭載して100台を同所に無償貸与し、モニタリングに使用して走行データを取得する。モニターはアンケートに答えるほか、SNSを通じて自転車の利便性や魅力、課題などを随時発信する。
モニタリング開始に当たり4月3、4日に自転車の引き渡しを個別に実施。インスタグラムやフェイスブックにはすでにモニターらが「坂道が快適」「こんなところに行った」などと投稿している。同所は「市民の声で自転車の良さを伝え、交通手段として継続的に活用する機運を醸成したい」と意気込みを見せる。
自転車の一部は同月30日から、新型コロナウイルス感染症により影響を受けた事業所を支援する同所の「コロナウイルス“グッド・バイ”セールス・キャンペーン」や、民間のウェブサイト「前橋まちなかテイクアウト“マエテク”」に登録する飲食店に、配達のための貸し出しが行われている。
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