皆さんは、「讃岐男に阿波女」という言葉をご存じでしょうか。阿波(徳島)の女性は、よく働き、しっかり者、嫁にもらうなら徳島の女性を、という意味です。その徳島で、本年9月28日、「全国商工会議所女性会連合会徳島総会」が開催されます。四国八十八箇所巡礼のお遍路さんへの「お接待」から始まった「〝元祖〟おもてなし」で、全国からの皆さんをお迎えいたします。
徳島商工会議所は、徳島県の県都である徳島市と隣接する佐那河内村を地域とし、会員数は約4000。徳島市は江戸時代、阿波と淡路の2カ国を領有した蜂須賀家二十五万石の城下町で、染料の原料となる「藍」づくりなどで発展し、明治初期の人口は、全国10位、四国では1位でした。「藍」づくりで育まれた進取の精神は、今も製薬、LEDなどの産業に受け継がれるとともに、毎年、8月12日から15日まで開催される徳島市の「阿波おどり」は、130万人が訪れる全国規模の催しとなっています。
私は、大学在学中に東京で友人と事業を立ち上げ、順調に推移していましたが、家庭の事情で、20歳代半ばに徳島に戻り、父親とともに、ビルメンテナンス会社の経営に携わりました。40歳で社長となり、業界の全国団体の役員にも就任しました。孫子に「智者之慮、必雑於利害(智者の慮は必ず利害をまじう)」という言葉があります。これは、〝必ず利益と損害の両面から考えておけば、成し遂げようとしたことは実現できる〟といった意味で、私は常々、この言葉を心にかけて、会社経営にも商工会議所活動にも前向きに取り組んでいます。
平成19年11月に会頭に就任し、長年の懸案事項であり、経済界の悲願であった「徳島経済産業会館」を24年4月、建設することができました。この会館は、「KIZUNAプラザ」の愛称で親しまれており、当所のほか関係団体や信用保証協会などが入居し、隣接する徳島県立中央テクノスクールとともに、中小企業の経営、金融、人材育成に関する総合的な応援拠点として、団体間の垣根を越えて連携しワンストップで対応しています。
当所は来年1月22日、創立120周年を迎えます。原点に立ち返り、提言・要望活動に力を注ぐとともに、中小企業や地域の皆さんから頼りにされる商工会議所を目指したいと考えています。結びに、全国商工会議所女性会の皆さんのご来徳を心よりお待ちしております。
最新号を紙面で読める!