愛媛県新居浜市は、四国の中北部に位置しています。市の基盤は、元禄4(1691)年に開坑された別子銅山の繁栄によって築かれました。その後も住友金属鉱山、住友化学、住友重機械工業などの住友グループと、その企業群などにより、瀬戸内有数の工業都市として発展してきました。その面影は色濃く残っており別子銅山の繁栄を伝える産業遺産が数多くあります。
当社は新居浜市において、昭和43年に住友重機械工業の協力会社として発足。機械加工部門からスタートし、大型構造物が製作できる工場として、さまざまな生産設備を充実させてきました。製缶・機械加工・塗装・組み立てまでの一貫した生産体制を構築しており、技術力には自信を持っています。愛媛ものづくり企業「スゴ技」に認定されていますし、新居浜ものづくりブランド認定企業にも登録されています。特に、主力製品の「製鋼所向けレードルクレーン」や「造船所向け天井クレーン」と「ジブクレーン」には高い評価をいただいています。今後も多種多様なユーザー企業のニーズに対応できるよう和の精神を生かし、常に品質の向上と信頼性を追求し、良質なモノづくりに全社員が一丸となって取り組んでいきます。
私の尊敬する人物は、香川県丸亀市出身の杉田秀夫氏です。彼は本州四国連絡橋公団所長として世紀の難工事に挑戦。瀬戸大橋を完成させた人物で、「男が惚(ほ)れる男」「不可能を可能にする男」と呼ばれ、テレビ番組「プロジェクトX」にも登場しました。彼の言葉に、「男は常に沈着冷静であらねばならない。いかなる苦境に立っても、うわずった声を出してはならない。悠々と構えよ。淡々と語れ」というものがあります。誠実さとひたむきさで挑戦し、幾多の試練やさまざまな紆余(うよ)曲折を乗り越え、見事に思いを成就していく。その揺るぎない信念を貫き通した彼の生きざまに人生の深みを感じます。
また、私の座右の銘は「一所懸命」です。昔から漢詩が好きで、中学生のときに中国の儒学者・朱熹(しゅき)の「偶成(ぐうせい)」という漢詩に感動を覚えました。「少年老い易く学成り難し、一寸の光陰軽んずべからず、未だ覚めず池塘春草(ちとうしゅんそう)の夢、階前の梧葉已(ごようすで)に秋声(しゅうせい)」という詩です。「光陰矢のごとし」という言葉にもありますように、年月は瞬く間に過ぎ去ってしまいます。ですから、私自身も「一つの所で懸命に生きる」ということを大切にしています。
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