三条市は新潟県のほぼ中央部に位置し、越後・蒲原平野が広がる中、日本最長の信濃川と一級河川・五十嵐川が合流する古くからの川港です。江戸時代には、北前船につながる物流拠点として商工業が繁栄しました。現在もお隣の燕市との間に上越新幹線「燕三条駅」があり、また北陸自動車道「三条燕インター」にも隣接しているなど交通の便に恵まれています。
当社は、戦後、父が創業して以来約70年間、ドライバーを中心としたアネックスブランドの作業工具メーカーとして発展してきました。最近は電動工具の先端に取り付ける精度の高い交換用ドライバービットの生産比率が高くなっています。またメガネ・カメラ用の微細なネジや、大型機械用、建築・電設機器用のネジ、さらに特殊なネジにも対応するドライバービットも製造しています。
また、当社の商品は昨年まで34年連続でグッドデザイン賞を受賞しています。私は中学から大学まで美術部に所属し油絵を描いていたこともあり、仕事でもデザインに興味を持っていることから、パッケージや商品デザインの最終チェックは、今でも私の担当です。
三条市は現在、お隣の燕市と連携し、燕三条地場産センターを中心に、新潟県内はもとより国内外に「燕三条地域」の情報発信を行っています。その核となるイベントが10月4日から7日まで開催される「燕三条 工場の祭典」です。ステンレスや銅・アルミ・マグネシウムなどの非鉄金属が中心の燕地域と鉄・鋼が中心の三条地域の名だたる工場が一斉に開放され、工場見学やワークショップが開催されます。燕三条は、“工場(こうば)で人をつなげる”というコンセプトの下、「ものづくり」の聖地を目指して一生懸命取り組んでいます。
最近では本イベントに金属だけではなく木工や食品工場、農家(耕場(こうば))産品を提供する(購場(こうば))の参加もあり、当地域は産業観光の先駆地域と自負しています。
また、本年秋には日本の魅力を海外に発信する外務省の「ジャパン・ハウス」事業の一環として、「ジャパン・ハウス ロンドン」において、前述の「燕三条 工場(こうば)の祭典」と連携した企画が初めて実施されることが決定。市長とともにオープニング・セレモニーに参加の予定です。
私の座右の銘は「教学相半」です。教えることも学び教わることもお互いさま、歴史ある産業集積に感謝し、互いに学び合い、時代に対応した産地として、これからも発展できるよう研鑽(けんさん)してまいります。
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