飛騨牛に朴葉味噌(みそ)、朝市……などなど高山名物はたくさんあるが、外せないのが「中華そば」、つまりラーメンだ。高山では中華そば、または単に「そば」と言い、蕎麦(そば)は「日本そば」と呼び分ける。現在、市内には100軒以上中華そばを出す店があり、喫茶店のメニューに載っていることも。高山市民のソウルフードともいえるだろう。
数多のそば店から紹介する1軒は、地元住民が親しみを込めて“宮チュー”と呼ぶ「宮川中華そば」。多くの店が使用する細い縮れ麺ではなく、細めのストレート麺を盛りつけてあるのが特徴で、これが実にくせになる。
「縮れ麺は食感、ストレート麺は小麦の風味を大事にしています。うちのスープと小麦の香りのバランスを楽しんでいただければ」とは店主の山下弦才さん。自慢のスープは、鶏ガラをメインに豚骨、昆布、削り節、タマネギ、香味野菜などで煮込んだもの。最初から寸胴にだし汁としょう油を一緒に入れて煮込み、丸みやうまみを調整したスープだ。チャーシュー、メンマ、ネギがのったそばは確かに食後に小麦の味と香りを鼻腔に残す。高山市民が慣れ親しんだ味は、懐かしい昭和の味だった。
Data
社名:宮川中華そば
所在地:岐阜県高山市下岡本町1360-19
電話:0577-33-8970
Information
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