八千代商工会議所(千葉県)に事務局を置く八千代産学官協同ネットワークは、八千代市における初の試みである「やちパンプロジェクト~もしも女子高生がパンを作ったら~」を実施。昨年12月1~17日に、千葉県立八千代高等学校の生徒が考案したパンを、同市内のパン事業者が販売した。生徒はパンづくりの基本などについて講義を受け、さらにパン事業者と共同で試作などを行い商品化にこぎつけた。売れ行きは好調で、用意したパンはほぼ売り切れた。
産学官の連携プロジェクトとして、同校家政科の3年生女子生徒19人と、同市内のパン事業者6店が手を組み、13種類のオリジナルパンを考案した。昨年5月にパン事業者らが講師となり、マーケティング、パンづくりなどについて講義を行い、生徒は基礎から知識を習得。その後、検討会を開催し、プロの意見も取り入れながら開発を進めた。さらに試作会や試食会を経て12月の販売に至った。
考案されたパンは、「八千代市らしさ」を特徴として持つものが多い。同市の観光名所である「京成バラ園」から着想を得て、ばらの香りを練り込んだデニッシュや、同市がナシの産地であることから、ナシを使用したパイなどがある。同市のイメージキャラクター「やっち」の焼き印を押したパンも考案された。協力したパン事業者からは「同プロジェクトにより誕生した斬新なパンを求めて、店に新規の客が来るようになった」と好評だ。
同ネットワークによると、今後、同プロジェクトの成果を検証し、その結果に応じて来年度における同様の事業の実施を検討するという。同ネットワーク会長で、同所会頭の上代修二氏は、「このプロジェクトに関わったことが、生徒たちの進路に影響を与えるかもしれない」と、人材育成の観点からも効果に期待を寄せている。
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