総務省はこのほど、平成27年国勢調査の抽出速報集計結果を公表した。平成27年10月1日現在のわが国の人口は1億2711万人で、前回(平成22年)と比べると人口は94万7000人の減少。総人口に占める65歳以上人口の割合は23.0%から26.7%に上昇し、調査開始以来最高となった。
調査開始以来初の人口減少
5年ごとの人口増減率の推移をみると、昭和20~25年はいわゆる第1次ベビーブームなどで25・3%と高い増加率となったが、その後は出生率の低下に伴って増加幅が縮小し、昭和30~35年には4.7%となった。その後、第2次ベビーブームにより、昭和45~50年には7.0%まで増加幅が拡大したものの、昭和50~55年には4.6%と増加幅が再び縮小に転じ、平成22~27年は0.7%減、年平均では0・15%減と、大正9年の調査開始以来、初めての人口減少となっている。
総人口を年齢3区分別に見ると、15歳未満人口は1586万4000人、15~64歳人口は7591万8000人、65歳以上人口は3342万2000人となっている。総人口に占める割合を平成22年と比べると、15歳未満人口は13・2%から12・7%に低下、15~64歳人口は63・8%から60・6%に低下、60歳以上人口は23・0%から26・7%に上昇となっており、65歳以上人口の割合は、調査開始以来最高となっている。
総人口に占める65歳以上人口の割合の推移を見ると、昭和25年以前は5%前後で推移していたが、その後は上昇が続き、昭和60年には10%を、平成17年には20%を超え、平成27年は26・7%まで上昇した。諸外国と比べると、わが国はイタリア(22・4%)及びドイツ(21・2%)よりも高く、世界で最も高い水準となっている。
全都道府県で15歳未満を上回る
総人口に占める65歳以上人口の割合を都道府県別に見ると、秋田県が33・5%と最も高く、次いで高知県が32・9%、島根県が32・6%などとなっており、41道府県で25%以上となっている。一方、沖縄県が19・7%と最も低く、次いで東京都が22・9%、愛知県が23・8%などとなっている。
また、沖縄県の65歳以上人口の割合が、15歳未満人口の割合(17・2%)を上回ったことで、全都道府県で65歳以上人口の割合が15歳未満人口の割合を初めて上回った。平成22年と比べると、北海道、千葉県、京都府および奈良県の4・5ポイントを最大として全都道府県で上昇している。
65歳以上人口のうち、単独世帯の人口は562万6000人となっており、65歳以上人口に占める割合は16・8%となっている。
男女別に見ると、男性が179万7000人、女性が383万人で、女性が男性の約2倍となっている。また、65歳以上人口に占める割合は、男性が12・5%、女性が20・1%となっており、65歳以上の男性のうち8人に1人、65歳以上の女性のうち5人に1人が一人暮らしとなっている。
M字カーブの底が上昇
15歳以上人口の労働力率は59・8%となっている。平成22年と比べると、1・4ポイント低下しており、平成12年以降低下が続いている。労働力率を男女別に見ると、男性が70・8%、女性が49・8%で、平成22年と比べると、男性が3・0ポイント低下しているのに対し、女性は0・2ポイント上昇している。
男女別労働力率を年齢5歳階級別に見ると、男性は25~59歳までで90%以上となっている。一方、女性は25~29歳の労働力率が80・9%となり、比較可能な昭和25年以降で初めて8割を超えた。
また、平成22年でM字カーブの底となった35~39歳の労働力率が68・0%から72・4%となり、M字カーブの底が上昇した。
女性の労働力率の推移について、いわゆる男女雇用機会均等法が施行される直前の昭和60年から年齢5歳階級別に見ると、25~64歳までの各区分で平成2年以降上昇傾向となっている。
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