スポーツ庁と経済産業省が共同で設置した「スポーツ未来開拓会議」はこのほど、同会議における議論を「中間報告~スポーツ産業ビジョンの策定に向けて~」として取りまとめた。2020年の東京オリンピック・パラリンピック競技大会開催の機会を最大限に活用し、スポーツ産業の活性化を目指す。
わが国のスポーツ産業は、2002年で約7兆円だったものが、2012年時点では約5・5兆円と縮小傾向にあるが、今後、ラグビーワールドカップ2019、2020年の東京オリンピック・パラリンピック競技大会といった大規模な国際スポーツイベントを迎える。このため、中間報告では、スポーツへの国民の関心や企業などの投資意欲、スポーツを通じた地域・経済活性化への高まりが考えられ、スポーツ産業が日本経済をリードする成長産業として発展することが期待されると指摘。これまでのように国や自治体、金融、大学、競技団体が個々に取り組むのではなく、各主体が連携し、互いの経験・知恵・資源を融合させ、新しいスポーツビジネスの創出に取り組むことが必要不可欠としている。
具体的には、スタジアム・アリーナの建設・改修による収益向上、競技団体などのコンテンツホルダーの経営力強化、新ビジネス創出、他産業との融合などによるスポーツ産業の活性化策などを例示。こうした施策により、諸外国のスポーツ産業市場のGDP比をメルクマールに、わが国においても、2020年で10・9兆円、2025年で15・2兆円の市場規模への拡大を目指し、具体的な政策を進める必要があるとしている。
今後は、同報告を踏まえ、必要な施策については平成年度概算要求に反映させていく。また、各論点について検討を深め、わが国のスポーツ産業振興の戦略的な取り組みを示す「スポーツ産業ビジョン(仮)」を本年度中に策定する予定。
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