政府の要請を受けて、昨年9月に経団連が示した「採用選考に関する指針」に沿った平成28年卒業予定者の選考活動が1日にスタートした。昨年まで、4年生の4月に選考を開始していたスケジュールを、「学業重視」の声に配慮して、4カ月後ろ倒ししている。
大手就職情報会社の株式会社リクルートキャリア就職みらい研究所が7月24日に発表した調査結果では、7月1日時点の大学生の就職内定率は49・6%。東京商工会議所が行った23区内にキャンパスのある37大学との意見交換会では、「出遅れた学生がいる一方、早い学生は内々定を受け取っている」など期間変更の影響を指摘する声が聞かれた。
日本商工会議所の三村明夫会頭は、7月の記者会見で「大学生にしっかりと勉強してもらいたいという思いから、採用活動の後ろ倒しを支持しているが、もしそれで混乱が起こっているのであれば実情を調査すべき」との考えを表明。「労働人口が減少する中、基本的には人手不足の時代がずっと続くという覚悟が必要」との認識を示している。
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