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スポーツライター 青島健太の注目アスリート ザックJAPAN躍進のカギはシャビの「思考力」にあり

写真提供:アフロ

日本のサッカー少年たちに憧れの選手を聞くと、まず名前が挙がるのがリオネル・メッシだ。アルゼンチン代表、スペインのバルセロナでプレーしている。身長169㎝と小柄なことも子どもたちに親しまれる理由かもしれない。次に名前が挙がるのは、ポルトガル代表のスーパースター、レアル・マドリッドのクリスティアーノ・ロナウドだろうか。かつては香川真司のいるマンチェスター・ユナイテッドでもプレーしていた。メッシやロナウド、いつでもゴールを決める選手に人気が集まるのは、世界共通の傾向だ。日本代表でも人気の中心は、本田圭佑(ACミラン)や香川真司だろう。

そんな中で通好みの「シャビ」を取り上げるのは、ワールドカップブラジル大会をより楽しく見るためだ。メッシのいるバルセロナの司令塔、前大会優勝国スペインが誇るパスサッカーのキーマンだ。

「シャビ」ことシャビエル・エルナンデスの身長は170㎝。日本人と変わらない。それでも世界中のサッカーファンが認めるゲームメーカーだ。このシャビの何がすごいのか。その理由を考えることが、日本代表の戦いを見る上でもヒントになりそうな気がする。

シャビは言う。

「僕は体が大きくないから相手と接触するプレーでは勝てない」

だからシャビは、相手のプレスを避けて常にフリーなスペースへと動き回る。そこから速く正確な判断で決定的なパスを連発する。シャビはピッチでの思考の速さこそが、現代サッカーにおける最大の武器だと考えている。つまり体力差を思考の速さと豊富な運動量でカバーしているのだ。

日本代表も、スペインに似たパスサッカーを標榜している。ザック・ジャパンでシャビ同様の能力を発揮しているのは遠藤保仁(ガンバ大阪)だろう。それを考えると、日本の浮沈は、遠藤と他の選手との連動に懸かっている。サッカーは、その国や地域の文化と身体性を見事に体現する。仕事もスポーツも、自分たちの持ち味を生かさずして好結果は望めない。日本の武器は、繊細、迅速、献身にあると見る。これらをピッチでどう表現するか。できるだけ相手と接触せずに、自分たちのリズムでボールを回す。スペインはそれで世界一になっている。参考になるのは、シャビのプレーだ。

青島 健太 スポーツライター&キャスター 1958年新潟市生まれ。埼玉県立春日部高校から慶応義塾大学、東芝を経てヤクルト・スワローズに入団。プロ野球初打席で初ホームランを記録。引退後は、オーストラリアで日本語教師を務め、帰国後、あらゆるメディアでスポーツの醍醐味を伝えている。

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