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スポーツライター 青島健太の注目アスリート チームに貢献するため 信じた道を貫く大谷選手

写真提供:産經新聞

もしかすると二刀流に挑戦している大谷翔平という選手は、誤解されているかもしれない……。

北海道日本ハムファイターズの大谷選手は、今シーズンで入団2年目を迎えた。ルーキーシーズンに残した成績は、打者として打率2割3分8厘、本塁打3本、投手としては13試合に登板して3勝0敗、防御率4・23だった。

高卒1年目から投打で1軍出場を果たしている逸材だが、なぜどちらか一本に絞らないのか……という声が依然としてある。「中途半端でもったいない」という応援の声もあれば「チームが混乱している」という批判もある。彼だけ、自由にやりたいようにさせておいていいのか、という指摘である。

確かに大谷選手の投打での起用に対しては、他の選手への影響があることは事実だろう。しかし、彼が自分本位にやりたいように野球をやっている……というのは間違いだ。彼は、決して自分のことだけを考えて二刀流をやっているわけではない。彼は、自身の二刀流についてこんなことを言っている。

「重要なことは、僕の成功(二刀流)が、優勝に結びつくのかどうかということです。チームとして戦っているので、僕のやりたいことばかりをやるわけにはいかない。僕は使われる立場なので、臨機応変に対応していく。だから、その時のチーム状況によって、二刀流の内容も変わってくると思います。先発でいってほしいとなれば先発で投げますし、故障者やケガ人が出て、打者中心でいってもらえないかと言われれば打者に専念する。とにかくどんな形であれチームの戦力になりたい。1週間に一度投げて、その間の日々は打者で出場する。それが僕の考える、一番信頼があって、最高に便利な選手なんです」

同じようなことを考えていても誰もが二刀流に挑戦できるわけではない。これは才能があるからこその話であり、その意味では彼だけが持てる発想とも言えるだろう。ただ、彼は決して自分の欲するままに野球をやっているわけではないのだ。

どうやってチームや組織(企業)に貢献するか? という方法にはいろいろなやり方がある。ただし、前例のないこと、目立つことは、否定されたり叩かれたりする。それでも自分の信じた道を貫けるか。大谷選手には、その覚悟と気概がある。

青島 健太 スポーツライター&キャスター 1958年新潟市生まれ。埼玉県立春日部高校から慶応義塾大学、東芝を経てヤクルト・スワローズに入団。プロ野球初打席で初ホームランを記録。引退後は、オーストラリアで日本語教師を務め、帰国後、あらゆるメディアでスポーツの醍醐味を伝えている。

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