文化庁はこのほど、地域の歴史的魅力や特色を通じて日本の文化・伝統を語るストーリーを認定する「日本遺産」の第一弾を発表した。ストーリーを語る上で不可欠な魅力ある有形・無形の文化財群を地域が主体となって整備・活用し、国内外に発信することで地域活性化につなげることなどが狙いだ。認定された「日本遺産」は18件で、水戸(茨城県)・足利(栃木県)・備前(岡山県)・日田(大分県)の各商工会議所が連携して機運を盛り上げた「近世日本の教育遺産群」も認定された。(関連記事4面に)
認定対象となる日本遺産には、歴史的経緯や地域の風土に根ざし世代を超えて受け継がれている伝承、風習などを踏まえたストーリーであること、ストーリーの中核に、地域の魅力として発信する明確なテーマを設定の上、建造物や遺跡・名勝地、祭りなど、地域に根ざして継承・保存がなされている文化財にまつわるものが据えられていることなどが求められている。
ストーリーのタイプは、単一の市町村内で完結する「地域型」と、複数の市町村にまたがって展開する「シリアル型(ネットワーク型)」の2種類に分類している。構成文化財は、地域に受け継がれている有形・無形のあらゆる文化財が対象。地方指定や未指定の文化財でも対象とするが、日本遺産のストーリーが日本の文化・伝統を語るものであることから、文化財群の中に国指定・選定のものを必ず一つは含めることとしている。
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