日本商工会議所はこのほど、簿記検定試験の「初級」を創設し、2017年4月から実施することを決定した。試験は、実施から採点、合否判定を、インターネット上で行うネット試験方式で実施する。日商簿記検定における新しい試験(級)の施行は、1961年以来、56年ぶりとなる。
ネット試験で実施
今回新たにスタートする初級は、簿記の基本原理および企業の日常業務における実践的な簿記の知識の習得を目的に、初学者を対象とした試験となっている。簿記は、企業活動や経営を理解する上で、経理・会計担当者のみならず、業種・職種を問わず企業人すべてに必要とされる知識であることから、日商では、より多くの人に簿記を習得してもらうために初級を新設することとした。
企業および大学・高校・専門学校などの教育機関からの基礎的な簿記教育に対するニーズは高い。そこで、初級は、学生らが簿記の学習をはじめるきっかけとなり、短期間で必要な簿記の基礎知識を習得できるよう、試験項目は3級に比べて内容を絞り、簿記の基礎知識・期中取引を中心としている。試験時間も40分としている。
試験は、実施から採点、合否判定をインターネット上で行うネット試験方式で実施するため、学習の進行に合わせて活用することができる。なお、試験会場は商工会議所が認定するため、自宅での受験はできない。
試験日は試験施行機関が決定。受験料は2160円で、100点満点で70点以上を合格とする。現行の4級は今年度で終了とする。 日商簿記検定試験は、簿記・会計技能の資質向上、商工技術・技能の向上発展、産業人材の育成を目的に、1954年に施行を開始。企業などから高い支持を得ており、累計で2500万人以上が受験している。
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