今日から始める“大人”健康生活 Vol.13 “一過性”便秘を解消する

食物繊維を多く含む主な食品

新型コロナウイルス感染予防で自粛生活が続いた影響から、普段は困ったことがないという人でも、便秘になってしまったという声をよく耳にします。

一般的に、一過性の便秘が起こる要因として、水分不足や野菜不足、ストレス、運動不足、腹筋力の低下、腹部の冷えなどが考えられます。さらに自粛生活によって生活リズムが崩れ、排便のタイミングを逃したり、運動量が減って胃腸の働きが低下したり、先の見えない不安からストレスをためているなども影響しているといえるでしょう。

とはいえ、普通の生活に戻れば、自然に便秘も解消するとは限りません。「たかが便秘」と侮らず、早めに解消する手だてを講じることが得策です。

食事面では、水分をこまめに取ること、食物繊維の豊富な食品を意識的に取ることを心掛けましょう。食物繊維は腸内で消化吸収されないため、便量を増大し、排便リズムを回復させる作用があります。水溶性と不溶性があるので、どちらもバランスよくとるのがポイントです。

腸内環境を良くする働きがあるヨーグルトなどの発酵食品もお薦めです。さらに、便通を良くするには適度な脂質も必要です。生活習慣病対策で脂質の摂取を極端に減らすと、腸の中で便の進みが遅くなり、便秘を悪化させる一因になります。

腸の働きが活発化する蠕動(ぜんどう)運動を促すには、腸に直接刺激を与えることが効果的です。おなかに手のひらを当てて「の」の字を書くマッサージや、ウエストをひねるようなストレッチなどは、家の中でも簡単にできます。また、便座に座って前傾姿勢(排便姿勢)をとると、直腸や肛門が開大して排便しやすくなることが知られています。

一過性の便秘であっても、体質や生活習慣によって「これで解消」という万能の方法はありません。そこで良かれと思う方法を、いろいろ試してみるといいでしょう。

福田千晶(ふくだ・ちあき) 医学博士・健康科学アドバイザー 1988年慶應義塾大学医学部卒業後、東京慈恵会医科大学リハビリテーション医学科に勤務。96年よりフリーランスの健康科学アドバイザーとして、講演、執筆、テレビ・ラジオ番組への出演などで幅広く活躍。また、診療所などで診察を担当するほか、産業医として企業の健康管理や健康啓発にも携わる。主な著書に『メタボがわかれば寿命がのびる!』(白夜書房)、『体脂肪を燃焼させるスロートレーニング』(永岡書店)など多数
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