日本商工会議所は5月19日、全国515商工会議所を通じて寄せられた会員事業者の声を基に緊急要望第3弾として「新型コロナウイルスの影響長期化を踏まえた中小・小規模事業者の事業継続に向けた緊急要望」を政府に提出しました。本要望の概要を紹介します。
*本要望の一部は、新型コロナウイルス対策を盛り込んだ2020年度第2次補正予算に反映され実行されます(6月12日現在)
要望全文はこちら
緊急要望の概要
Ⅰ 影響長期化に伴う、倒産・廃業防止に向けたさらなる政策対応
1 倒産・廃業を防ぐためのさらなる支援
1 ︳雇用調整助成金の円滑な申請・支給・上限額の引き上げ
①マンパワーの強化や申請手続きオンライン化による申請・審査段階での「目詰まり」解消
②生産指標要件など申請要件の緩和・撤廃、申請手続きの簡素化
③助成金の前払い
④1人1日当たりの上限額8330円の国庫負担による引き上げ
⑤申請手続きに不慣れな中小・小規模事業者に対する相談体制の強化
2 ︳貸倉庫・工場・事務所などの賃料助成制度の創設、不動産オーナーが賃料の猶予・減免などに応じやすい環境整備(土地・建物などの固定資産税の減免など)
3 ︳持続化給付金の拡充(売り上げ減少要件の緩和、規模に応じた給付額上限引き上げ、複数回支給など)
4 ︳中小・中堅企業の財務基盤強化に資する出資、資本性劣後ローン、税制による支援強化
5 ︳無利子・無担保融資の民間金融機関の積極活用、創業間もない者への売り上げ減少要件の撤廃
6 ︳社会保険料などの減免
7 ︳商工会議所経営相談窓口の体制強化
2 倒産・廃業の危機に直面している地域企業への支援
1 ︳地方創生臨時交付金の大幅な拡充、国による認定の簡素化・迅速化
2 ︳クラウドファンディングを活用した資金調達を行う者への助成
3 ︳官公需の予定どおりの発注と納期などの柔軟化、予定価格見直しと迅速な支払いの実施
3 事業継続に資する環境整備
1 ︳引き上げの凍結も視野に入れた、最低賃金の適正な水準の決定
2 ︳取引環境の適正化と大企業と中小企業の共存共栄、「パートナーシップ構築宣言」の推進
3 ︳政策効果の検証と政策効果を行き渡らせるための手続きの簡素化・迅速化
Ⅱ 影響長期化を見据えた、感染拡大防止と経済社会活動の両立支援
1 感染拡大防止と経済社会活動の両立支援
1 ︳緊急事態宣言の解除または再宣言に対する、より分かりやすい基準の明示
2 ︳新たな感染拡大の抑制・防止と経済社会活動の両立(業種別ガイドラインの適切な実行など)
3 ︳「新しい生活様式」に対応した事業活動再開に向けた設備などの費用補助(対面接触抑制のための改装など)
4 ︳地方空港や駅の利用客の安全確保に向けた体制整備
5 ︳中小企業の新卒採用支援、学業継続が困難となる大学生などへの支援
6 ︳ハローワークの就職支援機能の強化など
2 デジタルを活用した新たな変革支援
<1> 新しいビジネスモデルへの変革支援
1 ︳中小企業におけるテレワーク導入支援の拡充
○働き方改革推進支援助成金のPCなどの対象化、補助率の引き上げ、少額減価償却資産特例の拡充(年間限度額300万円引き上げなど)
2 ︳中小企業デジタル化応援隊事業の補助額の引き上げと複数年度化
3 ︳電子チケットを活用したコンサートや演劇などのイベントのライブ配信に対する費用助成
4 ︳ECサイト構築・活用による地域特産物などの販売支援
5 ︳オンライン展示会・商談会などによる販路拡大への支援
<2> 新しい経済社会への変革を加速化させる環境整備
1 ︳行政の対面手続き・書面手続きの抜本的な運用改善
2 ︳マイナンバーの活用による社会基盤の整備、マイナンバーカードの普及促進
3 ︳キャッシュレス決済のさらなる推進
4 ︳デジタル回線網の混雑解消・遅延防止の対応
3 今後の需要喚起・供給力向上への支援
1 ︳旅行や飲食、イベントなどの需要の回復に向けた支援(「GO TOキャンペーン」の早期実施)
○商店街含む域内消費喚起のための「GO TOキャンペーン」を活用した事業活動支援、クーポン券などプレミアム分の補助、同施策が実施可能となる条件や環境のあらかじめの提示が必要
2 ︳国際的なサプライチェーンの国内再構築への支援
商工会議所 新型コロナウイルス感染症関連情報(政府の支援策など)
https://www.jcci.or.jp/covid-19.html
最新号を紙面で読める!