日本商工会議所は9~11日、前橋商工会議所、群馬県商工会議所連合会と共に群馬県前橋市などで、「全国商工会議所観光振興大会2017in前橋」を開催した。大会には、全国234商工会議所・連合会などから約1800人が参加し、「見つけよう観光、磨こう観光~地域から新しい風を吹かせ~」をテーマに地方都市だからこそできる新しい観光について議論。全体会議では、地方創生に向け〝観光イノベーション〟に取り組むことなどを盛り込んだ「前橋アピール」を採択した。
10日の全体会議の開会式であいさつした日商の三村明夫会頭は、「観光は、関連する産業の裾野も広く、どこの地域でも取り組める、まさに、地方創生の有効な切り札」と強調。「外国人旅行者は団体から個人へ、あるいは、都市圏から地方への回遊が増加しつつある。こうした変化に対応し、観光を地域活性化に結び付けるためにも、豊富で多様な観光資源を、誇りを持って磨き上げ、その価値を分かりやすく発信することが重要」と述べるとともに、「各地域において、商工会議所がリーダーシップを発揮し、住民、自治体、事業者をはじめ地域の関係者を巻き込み、一体となって取り組むことが求められる」と各地での積極的な取り組みを呼び掛けた。
引き続き日商の須田寬観光委員会共同委員長が講演を行い、各地商工会議所における観光振興への取り組み状況を報告した。また、「全国商工会議所きらり輝き観光振興大賞」の表彰式、鳥羽商工会議所による先進事例発表を行った後、基調講演やパネルディスカッションが実施された。本大会閉会時には、観光イノベーションに向け、手法を変えて観光資源を磨き上げ、新しい発想で魅力ある観光商品の開発に積極的に取り組むこと、ICTの活用やリノベーションなど経営の近代化・効率化を推進することなどを盛り込んだ「前橋アピール」を採択した。
全体会議に先立ち、9日には分科会を開催。「ものづくりヒストリーの新しい魅せ方」「歴史・文化を観光資源に高めるまちづくり」など五つのテーマに分かれ議論を行った。
次回大会は、平成30年11月5~7日に、福島県会津若松市などで開催する。
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