東日本大震災で被災した東北六県庁所在地の祭りが一同に介するイベント「東北六魂祭(ろっこんさい)2015秋田」が、5月30、31日に開催された。参加した祭りは、「秋田竿燈(かんとう)まつり」「青森ねぶた祭」「盛岡さんさ踊り」「山形花笠まつり」「仙台七夕まつり」「福島わらじまつり」。東日本大震災からの本格復興を願い、今年は秋田市で実施され、2日間で26万人の集客があった。来年は青森での開催を予定しており、次回で東北6県庁所在地を一巡したことになる。
東北六魂祭は、東北全体の復興を願い、被災地を代表する6つの祭りを一都市で開催することで地域を盛り上げようと、平成23年から行われている。第1回の仙台市(宮城県)を皮切りに、今年で5回目。震災によって活気が失われた被災地を励まし続けてきた。
今年のテーマは「輝」。高く立ち上がり、夕闇に輝く竿燈のように、どこまでも伸びていく東北の希望や実りが感じられる祭りにしたい、との思いが込められている。30日の開祭式では、参加者全員で震災の犠牲者に黙とうをささげた。開催地を代表してあいさつした穂積志秋田市長は、「東北は一つという思いでさらに前へ進もう」と呼び掛けた。
祭りのメーンイベントとなるパレードは、両日とも秋田市中心部の大通り約1・2キロメートルにわたって実施。5年目で初めて夕方のパレードとなった初日は、秋田の竿燈や青森のねぶたに灯(あか)りがともされた。各地域から集まった祭りの担い手総勢約1350人が大通りを練り歩き、沿道を埋めた観客からの盛大な拍手に包まれた。
また、東北の物産展やブルーインパルスのアクロバット飛行、東北伝統芸能の実演、東北復興ライブ「六魂Fes!」など、老若男女が楽しめるさまざまな催しを実施。東北6市が一丸となって取り組み、日本全国から集った観客に「東北の心は一つ、さらに前へ」という早期本格復興への熱い思いをアピールした。
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