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「下町育ちの再建王」の経営指南 常識を破るビジネスフォーマット

常識を破ること、覆すことが重要なわけではありませんが、今、私たちは常識だけを頼りにはできない時代に生きています。日本の長い歴史を振り返ると、これまで10回ほど、常識が覆ったことがありました。注目すべきは、その時に生きている人は、その変化に気付かずにいたであろうということです。今の私たちが、そうなのかもしれません。

日本の歴史の中で最初の変化は、石器時代から縄文時代に移った時でした。石器ではなく土器の壺ができたことによって、食料の調理や貯蔵ができるようになり、塩干しや漬物など、保存食の製造が始まりました。

次の変化は、紀元前5世紀ごろ、弥生人が登場して農耕が始まり、稲作が当たり前になった弥生時代でした。実はこれが一番大きな変化で、それまでは人々の間に権力というものは存在しませんでした。しかし、年に一度収穫した穀物を貯蔵できるようになったことによって富める者と貧しい者が生まれ、支配者、一般人、奴隷という身分(階層)が生まれたのです。

権力が生まれてから7~800年後に、統一国家が誕生しました。それまでは、中国の史記『魏志倭人伝』が伝えるところによれば、国内には女王卑弥呼の邪馬台国に代表される100以上の国々があったわけです。

統一国家ができると天皇制がスタートしました。593年に聖徳太子が推古天皇の摂政となっているので、このころ確立したと思われます。794年の平安京への遷都後、遣唐使の派遣が終了し、〝唐風〟に代わって日本独自の〝国風〟文化が栄えました。

やがて、藤原氏が台頭し、天皇制を利用した摂関政治、院政の時代を迎えました。その後、1185年の鎌倉幕府の成立により、武家政治が始まりました。1467年に発生した応仁の乱から戦国時代、その後、1603年からの江戸時代。そして、明治維新。最後に、太平洋戦争敗戦後。

以上10回ほどあった歴史的変化を客観的に見ると、それぞれ大きな変化ですが、江戸から明治のようにガラリと変わることはめったになく、そこに生きている人は時代に対応しながら生き抜くしかありませんでした。

そして、話は現在になります。2026年ころから、経済の覇権が西洋から東洋に移り始めるでしょう。覇権を握るのは残念ながら日本ではなく中国になると思われます。つまり、私たちは今、11回目の歴史的・経済的な変化の前夜にいるわけです。

まず2021年から、景気が落ち込むことは予測できます。その後、10年、20年先の企業存続のためにどのようにかじを取るべきでしょうか? 常識に頼らず、先んじた者が、次の時代の勝者になれるのだと思います。

小山 政彦(こやま・まさひこ) 株式会社 風土 代表取締役会長 (前 船井総合研究所 代表取締役会長) 1947年、東京生まれ。開成高校卒。早稲田大学理工学部数学科卒業後、実家のディスカウントストア経営に携わる。84年、船井総合研究所に入社。6年後には売り上げ3億円のNo.1コンサルタントになる。2000年の社長就任後は大証2部から東証1部上場、離職率20%台を6%までに改善、賞与支給No.1企業など経営者としても手腕を振るう。10年には代表取締役会長に就任。13年3月をもって退任し、現在は㈱風土代表取締役会長を務める。著書に『ベタ惚れさせるマネージメント』(講談社)、『9割の会社は人材育成で決まる!』(中経出版)など多数

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