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「下町育ちの再建王」の経営指南 営業・マネージメント・職人の役割分担で業績アップを

会社は、営業とマネージメント、そして職人、この3部門の担当者が絡まり合って仕事をしています。一人で全てこなせるオールマイティーという人はほとんどいません。

営業は売り上げをあげるために、時には経費を使いながら数字を追いかけます。マネージメント側からすれば、経費を削ることも仕事の一部であるため、両者はせめぎあう間柄です。

マネージメントの役割は、人・モノ・カネ・情報の管理です。利益をあげるためにさまざまな施策を実行します。

職人は、質を求めて仕事をします。飲食業を例に取ると、職人は高級な食材を使いたいと考えがちです。しかし最高級のモノを使わなくても、季節感や技術によって、お客さまを感動させる努力をするのがプロの責務であり、それを指導するのが、利潤追求を任務とするマネージメントの役割です。同じ会社で利益を目的としながら、この3者は、思考回路が異なります。そして私の知る限り、この3者のバランスがうまくいっている組織は、業績が伸びています。

船井総研をこの例に当てはめると、マネージメントは経営陣、営業はコンサルタント、職人は、調査やデータづくりなどの基礎を担うスタッフを指します。コンサルタントの武器ともいえるデータの裏には、資料づくりを行う、多くの優秀なスタッフがおり、質の高い仕事を、骨身を惜しまずやってくれていました。

現在、私が会長を務める風土の事業は、この3者が非常に分かりやすく仕事を分担し、業績をあげています。弊社は、「日本の伝統文化や芸術を世界のスタンダードにする」ことを事業目的の一丁目一番地に掲げて、設立した会社で、アーティスト・小松美羽をプロデュースしています。彼女は作品が大英博物館に収蔵されるなど、世界から注目されるアーティストの一人としてその成長は目覚ましいものがあります。しかし、小松本人は、自分の作品がどこでどうやって誰に売買されているのかなどに直接関与せず、純粋に創作活動に日々没頭しています。そうしていられるのは、当社専務の高橋紀成がプロデュースを一手に引き受けているからであり、マネージメントは私やスタッフが担うという、分業の歯車がキッチリとかみ合っているからです。

マネージメントと営業というと、管理する側とされる側に分かれた上下関係をイメージしますが、お互いがなくてはならない存在なのですから、上下はありません。組織を構成するメンバーにはそれぞれ役割があり、最も得意なことを任せてその力を最大限に発揮させることが重要です。3部門がバランスよく機能すること。これが業績アップにつながるのです。

小山 政彦(こやま・まさひこ) 株式会社 風土 代表取締役会長 (前 船井総合研究所 代表取締役会長) 1947年、東京生まれ。開成高校卒。早稲田大学理工学部数学科卒業後、実家のディスカウントストア経営に携わる。84年、船井総合研究所に入社。6年後には売り上げ3億円のNo.1コンサルタントになる。2000年の社長就任後は大証2部から東証1部上場、離職率20%台を6%までに改善、賞与支給No.1企業など経営者としても手腕を振るう。10年には代表取締役会長に就任。13年3月をもって退任し、現在は㈱風土代表取締役会長を務める。著書に『ベタ惚れさせるマネージメント』(講談社)、『9割の会社は人材育成で決まる!』(中経出版)など多数

お問い合せ先

社名:株式会社 風土

TEL:03-5423-2323

担当:髙橋

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