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「下町育ちの再建王」の経営指南 自尊心の3欲求

人は仕事をしたとき、上司に認めてもらいたいと思っています。心理学者のウィル・シュルツ博士は、自尊心を満たす要素として、①『自己重要感』②『自己有能感』③『自己好感』の三つの欲求があると説きます。自尊心は仕事のモチベーションに大きく関係するので、上司の持つべきスキルだと考えて、部下の三欲求の満たし方を身に付けてはいかがでしょうか。

①『自己重要感』というのは、「人は自分のしたことを重要だと感じたい」という欲求。例えば、チームで調査報告書をつくる場合、最終的にはリーダーが仕上げますが、その前に中堅が分担してたたき台をつくります。その下では新人が、小間使いのように「これ調べて来い」「あれ聞いて来い」と言いつけられ、必死になって情報を収集します。

その調査報告書が仕上がり、お客さまを感動させる良いプレゼンテーションができたとしましょう。さてその時、リーダーは新人に、どのような言葉を掛けるでしょうか。

本当に価値のある仕事をしたのは中堅スタッフで、新人は言われたことの半分もできなかったかもしれません。ただ、新人の今後のモチベーションは、この時の上司の一言に掛かっています。「今回の仕事に君たちの情報は欠かせないものだった。大変だっただろうが、おかげで、このプロジェクトはうまくいった。本当にありがとう!」

こう言うと、新人の『自己重要感』は100%満足。仕事にまい進する気持ちが生まれるのです。

②『自己有能感』を満たすには、「すごいなー、なかなかこうはできないぞ」などという、褒め言葉が有効です。時々、意識的に有能さを褒めてあげてください。

さて、最後の③『自己好感』ですが、どんな相手でも、これなら心をつかむことができます。「君、なんか感じが良いんだよナ」「不思議に楽しい気持ちになるよ」とか、人に紹介するとき「まだまだ未熟ですが、かわいいやつなんです」など相手に好感を伝えてください。

ある芸人さんが、決して美人とは言えない女性にほれ、口説き文句を考えたそうです。女性は自分のルックスは知っているので、見え透いたお世辞は言えません。悩んだ結果こう言ったそうです。「君、なんで俺の好み100%なの?」

彼は好みという無理のない表現を見つけたわけです。こういった方法を使えば、褒める点がない相手でも、自尊心を満たすことはできます。

3欲求を意識して、部下を褒めてください。褒めていれば、叱っても人間関係にシコリが残りません。今年は、褒め上手元年。上下関係がスムーズな一年を送ってください。

小山 政彦(こやま・まさひこ) 株式会社 風土 代表取締役会長 (前 船井総合研究所 代表取締役会長) 1947年、東京生まれ。開成高校卒。早稲田大学理工学部数学科卒業後、実家のディスカウントストア経営に携わる。84年、船井総合研究所に入社。6年後には売り上げ3億円のNo.1コンサルタントになる。2000年の社長就任後は大証2部から東証1部上場、離職率20%台を6%までに改善、賞与支給No.1企業など経営者としても手腕を振るう。10年には代表取締役会長に就任。13年3月をもって退任し、現在は㈱風土代表取締役会長を務める。著書に『ベタ惚れさせるマネージメント』(講談社)、『9割の会社は人材育成で決まる!』(中経出版)など多数

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