事業承継支援を目的とする官民連携の新組織「事業承継オーケストラ」が2月6日、七尾市で発足した。七尾商工会議所(石川県)や市、金融機関、税理士会、弁護士会など23機関が連携し、後継者がいない市内の中小企業を支援する。それぞれが得意な分野を生かして連携を深め、オーケストラのように重層的な支援を目指すことからこの名前が付いた。
全国的に中小企業経営者の高齢化が進んでおり、今後、後継者不足を理由とした廃業の増加が見込まれている。特に同市では、後継者不足などの理由から、2015年に約3700社であった企業数が、25年には約2500社まで減少するという推計もある。そこで地域の総力を挙げて事業承継を支援する組織を立ち上げた。
今後、同所が事務局を務める「七尾街づくりセンター」が中心となって支援策を展開する。企業からの相談を受け付けるとともに、企業の後継者となる人材を発掘するために、人材募集の専用ウェブサイト開設や、首都圏など都市部で同市の企業を紹介する説明会などを行う。また、市や事業者らが出資して「七尾版ローカルファンド」(事業承継ファンド)を構築し、事業承継に当たって新しい経営者が株式を買い取りやすくする計画もある。
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