秩父商工会議所(埼玉県)は昨年9月、秩父市内のレトロなまち並みや観光スポット約20カ所を写真入りで紹介する「ちちぶ浪漫壽娯録地図」を発行。秩父鉄道秩父駅をはじめ、市役所や観光案内所などで配布している。
この地図は昨年、同所が市のPRを目的に、〝歩く〟をキーワードにしたモデルコースの調査・研究を行う過程で発見した明治期のすごろく「秩父郡大宮町繁昌壽娯録」を活用し、製作したもの。すごろくには、現存する商店などがいくつも描かれていたことから、「明治の香り漂う、ノスタルジックなまち並みの魅力をPRしよう」と思い付いたという。
同所はこの地図の運用を促そうと、昨年10月25日、秩父地域おもてなし観光公社主催のボランティアガイド研修会で同地図をお披露目。NPO法人のまち歩きガイド約40人が地図を片手に、特産品の絹織物「秩父銘仙」の問屋だった長屋が連なる「買継通り」や、モダンな造りの「近藤歯科医院」など、国登録有形文化財指定の建造物などを巡った。また、昨年11月からは、同地図を使ったまち歩きガイドコースが正式にスタートしている。
同所は、「夜祭や羊山公園の芝桜で有名な秩父だが、絹産業で栄えた時代の懐かしい雰囲気がまちなかに残っている。この地図を市民や観光客の市内散策に利用してもらい、秩父の活性化につなげたい」と話している。
問い合わせは、同所(☎0494・22・4411)まで。
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