三木商工会議所(兵庫県)は、大工道具・機械刃物などの金物製造の国内シェア6割を誇る地元を内外へPRしようと、昨年春から、日曜大工好きなシニア世代を対象とした木製カヌーの工房づくりを計画。ほかにも、三木市初のご当地検定「三木金物検定」の体験版を今月2日に実施するなど、さまざまな試みを行っている。
同所は、身近な大工道具を使えば初心者でも比較的気軽に挑戦できることから、数ある木工制作の中からカヌーに注目。昨年6月、所内に委員会を設置し、カヌーを使った川下りがさかんな高知・和歌山への視察、日曜大工愛好家への聞き取り調査などを進めてきた。
昨年11月からは専門家に協力を依頼し、木工初心者の職員が約3カ月かけてカヌーづくりに挑戦。その経験を生かし、現在は工房開設に向けて、三木オリジナルの制作キットを開発中だ。
2日に実施された同検定も、「多くの人に大工道具に親しんでもらい、三木金物の周知・普及を」と、同所が約3年前から温めてきたもの。試験は三木金物の歴史や道具の知識を問う筆記、実際に道具を使う実技の2本立てとし、動画を収めたDVDをテキスト代わりに体験版受験者に配布するなど、「金物のまち」ならではの特色を打ち出した。当日は24~76歳の幅広い世代が試験に挑み、全員が修了証書を手にした。
同所は、「工房設置や検定の実施は来年度中をめどに準備中。今後も地場産業のPRに努め、1500年の歴史と伝統を守りたい」と話している。
問い合わせは、同所(☎0794・82・3190)まで。
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