国土交通省の有識者懇談会はこのほど、今後10年を見据えた中長期的な視野による地域公共交通の活性化・再生の取り組みの方向性に関する提言を公表した。「地域公共交通ネットワークの形成の在り方」「公共交通の利便性の向上、需要の創出」などの観点から、交通事業者、地方公共団体、地元住民に求められる今後の取り組みと、国に期待される各主体へのサポートや環境整備などを取りまとめている。
提言では、活性化再生法によって、地域の公共交通ネットワークの形成は、地方公共団体が主導することとなったが、一部の地方公共団体では、そもそも交通担当の部局が無いなど、地域公共交通に対する意識が十分でない事例も見受けられると指摘している。その上で、地域公共交通活性化のためには、地方公共団体が交通政策への取り組みを強化し、地域公共交通のビジョンを持って地域公共交通の活性化の取り組みをけん引することが必要と強調するとともに、交通政策の実行力向上、担い手充当・育成、地域公共交通の必要性と実態の認識、地域活性化を視野に入れた対策推進などを求めている。また、交通事業者にも経営革新や域内の需要拡大、域外からの旅客の誘致などの取り組みが必要としている。
一方、国に対しても、交通事業者の経営力の強化などを後押しするための施策の検討、研修のさらなる充実やオンライン講座の実施など、地方自治体職員が必要な知識を習得しやすい環境づくり、自動運転の推進とその円滑な実装、貨客混載の促進、地方公共団体との連携強化、交通事業者と地方公共団体間の協議の仲介などを提言している。
詳細は、http://www.mlit.go.jp/report/press/sogo12_hh_000118.htmlを参照。
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