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コラム石垣 2017年9月1日号 宇津井輝史

鉄路はどうなるのか。3月11日号の小欄で、経営難からJR地方路線の廃止・縮小が相次ぐ事態に愚考を展開したら、読者の反響があったので再度提起してみたい。

▼かつて人とモノを運ぶ主役は国鉄だった。だが累積赤字が6兆円に達し、1980年に国鉄再建法が成立。87年の国鉄分割民営化と前後して全国83路線の廃止もしくは三セク化が実行に移された。公社だった国鉄は民営JRになり、採算を考慮しながらサービスを重視することが期待された。

▼しかし本州3社に比べ、北海道、四国、九州の3島会社は初めからハンディを背負った。利用者が少ないのに同じコストがかかるためだ。黒字が見込めない3島には経営安定基金を分配し、運用益で赤字を埋める予定もバブルがはじけて目論見は崩れた。JR30年の今年、北海道をはじめ「もはや自力では維持できない」路線が次々廃止となり、地域格差は広がる。

▼1泊数十万円の豪華列車の投入は経営努力の一つかもしれない。利用者は納得し利益も生む。問題は、その陰で生活路線が置き去りにされる現実である。待ち望んだ新幹線の開通と引き換えに、三セク化された在来線を利用する高校生の定期券が値上げになる現実である。

▼欧州で鉄道は社会インフラとみなされる。国鉄時代、山手線などの都心線区と新幹線の黒字で地方線を支えてきた。クルマ社会のいま、地方線は無用と都会人は思いがちだ。だが住む町が鉄道で全国と繋がる安心感を知るまい。地方のコストを大都市の負担で支える仕組みは、通信などでは行われている。たとえば大都市鉄道の運賃を1%値上げすれば350億円が捻出できる。経営努力の限界を知りつつ実行した分割民営化。再考の時かもしれない。

(文章ラボ主宰・宇津井輝史)

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