日本商工会議所の久貝卓常務理事はこのほど、日商が7月に取りまとめた意見書「地域・中小企業におけるIoTの活用推進に関する意見~第4次産業革命への対応に向けて~」を経済産業省の糟谷敏秀経済産業政策局長、多田明弘製造産業局長、寺澤達也商務情報政策局長に直接手渡し、意見書の内容の実現を強く求めた。
同意見書では、中小企業の最大の経営課題である人手不足に対応するためには、ITやIoT、ロボットなどの革新的な技術の導入により、生産性向上を図ることが不可欠と指摘。IoT、ビッグデータ、AI(人工知能)などが主導する第4次産業革命、コネクテッドインダストリーズは、今後、官民の取り組みが進み、経済成長に大きく寄与することから、政府に対して中小企業への長期的かつきめ細かな支援を要請している。
具体的には、「IT専門家の中小企業1万社への派遣」の継続実施、「IT普及セミナー」の継続、経営指導員のITコーディネータ資格の取得費用に係る補助制度の創設、「次世代企業間データ連携」(共通EDI連携)の推進を提案。IoT機器やロボットなどの体験スペースの設置およびIoT導入先進企業への視察会の実施、IT・データ活用人材の育成に向けた教育訓練講座の創設なども求めている。
経済産業省の各局長からは、「ITの導入自体が目的ではない。中小企業が抱える経営課題の解決手段としてのIT活用を、商工会議所の経営指導員などが示していくべき」「製造業のIoT導入推進に向け、商工会議所の協力を得て『スマートものづくり応援隊』などの事業を進めているが、サービス業などへの導入促進にも協力をお願いしたい」などの発言があった。
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