基本的な考え方
・近年、「ITを活用した革新的な金融サービス(フィンテック)」が急速に進展し、中小企業経営に影響を与えようとしている
・現在、地域の一部の中小企業は、新しいフィンテックの動きをチャンスと捉え、「IT(クラウド会計など)を活用した生産性向上」を実現
・今後、より多くの中小企業が、生産性向上に向け、「フィンテックを積極的に活用する」ことが望ましい
Ⅰ.フィンテックが中小企業に与える影響
・フィンテックによって、中小企業にとって重要な「金融(資金管理、決済、資金調達)の利便性が向上」する
□資金管理:クラウド会計やモバイルPOSレジなどにより、会計・販売動向などをリアルタイムに見える化できる(経営の見える化)
□決済:キャッシュレス決済(クレジットカード、電子マネー、スマホ決済など)への対応により、「顧客減少の回避」「業務の効率化」を実現
□資金調達:「個人からの資金調達」や「会計・取引データなどを審査に活用する新たな融資」など、「資金調達の多様化」を実現
Ⅱ.フィンテック時代における中小企業が目指すべき姿・課題
・目指すべき姿:現状のアナログ(電話、紙、FAXなど)業務をデジタル化し、「業務フロー・会計・決済プロセスのデータ連携」の実現
・課題:事業者のITリテラシー、各種ツールの費用負担、IT支援体制(施策×中小企業支援機関×IT支援人材×IT事業者)
Ⅲ.中小企業のフィンテックの活用に向けた今後の対応
1.中小企業の対応
・複数のビジネスアプリ(クラウド会計、モバイルPOSレジなど)の活用による業務フロー全体のデータ連携
・ネットバンキングの利用
・キャッシュレス決済への対応
2.商工会議所の対応
・支援体制構築(経営指導員のスキル向上、IT支援人材・IT事業者との連携)
・情報発信(会報・HP・会議・巡回・窓口相談などによるIT施策の情報発信)
・合同支援(フィンテック・IT活用方法やIT施策に関するセミナー・相談会の開催)
・個別支援(経営指導員などによる個別相談などにより、「経営課題を抽出」し、「計画策定」「ITツールの導入」「軽減税率対策補助金の活用」などを伴走支援)
3.国の対応
(1)中小企業対策の強化
・複数のビジネスアプリの導入
・活用支援(補助金など)
・低費用負担などで利用できる金融インフラ整備(キャッシュレス決済、ネットバンキング、オープンAPI、電子記録債権、XML電文・金融EDI)
・資金調達の多様化の推進(クラウドファンディングなど)
・資金回収早期化(締日慣行の見直し、SCCC短縮化)の推進・受発注業務などのIT化の推進
(2)IT導入に向けた支援体制の強化・人材育成
・支援体制構築(中小企業支援機関×IT支援人材×IT事業者)
・複数ビジネスアプリに精通したIT支援人材やIT事業者の育成・リスト化・法認定、ビジネスアプリ・コーディネータ(仮称)の創設
(3)フィンテックを支える基盤(企業・人材・技術など)の強化
・フィンテック企業(規制のサンドボックスの推進など)・フィンテック人材育成
・セキュリティー対策、ブロックチェーン技術の活用推進
(6月15日)
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