日本商工会議所はこのほど、4月の商工会議所LOBO(早期景気観測)調査結果とともに、2017年度の採用動向と2016年度の採用実績について、全国の企業にヒアリングした結果を発表した。
2017年度に採用を行う企業(全産業)は、55・9%と、前年同月と比べ、6・1ポイント増加。また「現時点では未定」とする企業は28・9%、「採用は行わない」企業は、15・2%となった。採用を予定している企業に、昨年に比べた採用予定人数について聞いたところ、正社員を「増やす」企業は50・6%、非正規社員を「増やす」企業は58・0%と半数を超えた。
2016年度の採用実績については、53・6%の企業が「募集し、採用できた」と回答。しかし、充足状況については、正社員(新卒)を募集した企業の51・7%が予定した人数を確保できなかった。同様に、正社員(中途)については55・6%、非正規社員については53・5%の企業が、予定した人数を確保できなかった。
ヒアリングした企業からは、「社員募集をしても予定の人数を確保できず、現場社員の負担が増している。人手不足による受注機会の損失、社員の離職防止が喫緊の課題になっている」(総合建設)、「求人誌やハローワークを通じて応募しているが、応募がほとんどなく、採用できない。計画を変更して省力化投資で人手不足を補うことを検討する」(飲料卸売)といった人手不足を訴える声が聞かれた。
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