日本商工会議所はこのほど、5月の商工会議所LOBO(早期景気観測)調査結果とともに、「2016年度の設備投資動向」について、全国の中小企業にヒアリグした結果を発表した。
2016年度に設備投資を「行う(予定含む)」企業(全産業)は39・2%と、2015年5月調査と比べ、ほぼ同水準。他方、「未定」は33・6%と、8・0ポイント減少し、「見送る」は27・2%と、7・6ポイント増加した。
設備投資内容は、「国内で新規設備投資」(全産業)が35・7%、「国内で既存設備の改修・更新」が74・5%、「海外で新規投資または既存設備の改修・更新」が、4.2%となった。
国内の新規設備投資の目的は、前年同月に比べ、「能力増強」が9・9ポイント、「省力化・合理化」が7・5ポイント増加した。
ヒアリグした中小企業からは、「前期は設備投資を抑えたが、今期は人材の採用、定着を目的に、合理化、省力化、労働環境の改善を中心とした設備投資を行う予定」(自動車部品製造)、「地元の漁港で水揚げされた魚介類や地域の特産品を生かした新商品が好調なため増産に向けた設備投資を行う」(食品加工卸)などの設備投資に前向きな声が聞かれた一方、「熊本地震の影響により、宿泊客や宴会のキャンセルが多く出ている。観光需要の減少が見込まれるため、来期に設備投資を先送りする」(旅館)といった声も寄せられた。
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