日本と東南アジア諸国連合(ASEAN)の政府関係者と企業の代表が一堂に会して意見交換を行う「第1回日ASEAN新産業官民対話」が8月26日、ミャンマーの首都・ネピドーで開催された。会合には、日本商工会議所の三村明夫会頭(ASEAN日本経済協議会日本委員会会長)、釡和明特別顧問、小林洋一・日本メコン地域経済委員会委員長、中村利雄専務理事はじめ各国の経済大臣、民間代表ら約100人が出席。「環境・エネルギー」「ヘルスケア」「コンテンツ」の各分野のビジネス拡大、具体的な地域間協力のあり方などについて提言を取りまとめ、同日に行われた日ASEAN経済大臣会合に報告した。
初めて開いた「日ASEAN新産業官民対話」では、同地域が直面している環境対策や高齢化の進展、エネルギー需給、生活の質の向上などの課題を、新たなビジネスのフロンティアを開拓するチャンスと捉え、日本とASEANの官民で協力して解決していくことに合意。今後も継続的に対話を行うことで一致した。
日本側からは、日本企業が強みを持つ世界最高水準の環境技術を生かした電力、交通、水などのインフラ分野、予防医療の充実など健康サービス事業、コンテンツ産業などの具体的なビジネス展開の可能性を提示。日商の三村会頭は「これからは、政府による制度面の統合だけでなく、民間によるビジネスインテグレーションを重視すべき」と述べ、課題解決にビジネスの力の活用を訴えた。
茂木敏充経産相が出席した日ASEAN経済大臣会合では、官民対話の議論の成果を踏まえ、2012年に合意した「日ASEAN10年間戦略的経済協力ロードマップ」に、「環境・エネルギー」「ヘルスケア」などの新産業分野の育成や中小企業金融などの項目を追加し、協力を強化することに合意。日本とASEAN間の貿易額を2022年までに倍増させる目標に向け、インフラ開発や中小企業育成などの取り組みを加速させることなどを確認した。
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