日本商工会議所が7月18日に開催した夏季政策懇談会の第2部は、「地域活性化とその担い手である商工会議所の活動における課題・対応案」をテーマに実施した。地域活性化の実現に向けた商工会議所による取り組みや商工会議所の機能強化について、三つの分科会に分かれ、出席商工会議所からの事例発表を踏まえ討議した。(1面参照)
各分科会の事例発表では、岩見沢(北海道)の松浦淳一会頭、三条(新潟県)の兼古耕一会頭、松本(長野県)の井上保会頭、栃木の大川吉弘会頭、東海(愛知県)の橋山和生会頭、徳島の中村太一会頭が販路開拓支援、健康経営などについて事例発表を行った。
出席者からは人手不足や生産性向上について、「地域の特色を生かした取り組みを進め、いくつかの施策を組み合わせ、若者のUターンを呼び起こしたい。故郷への思い入れを、時間をかけて醸成することが大切」「ITやロボットの活用は必要だが、ロボット設置前後の設定などに費用がかかるため、単なる導入は難しい。例えば、同じ悩みを抱える中小企業が連携して課題を解決できるような仕組みができると中小企業にも低コストで利用しやすいのではないか」といった意見が出された。
観光振興については、「行政や大学、観光協会などとの連携が不可欠だが、これまでは個別に活動していた。そこで、NPOを立ち上げ関係団体が参画し、さまざまな施策を検討している」「インバウンドは全体的に活況であるが、関連産業までには十分に波及していない印象。また、国内交流も取り入れようと尽力している。観光資源は『無いはずは無い』の心意気でまずは取り組むことが重要。行動を起こさなければ課題も出てこない」といった意見が寄せられた。
また、地元自治体との関係について、「要望実現には、首長や県・市議会議員などと良好な関係を築くことが重要。そのためには、日頃から意見交換や懇親の機会を設けるなどの取り組みが有効」「まちづくりは、地域総合経済団体である商工会議所が主体的に考え、具体的に実行していくことが重要。そのためには、行政に理解してもらえるよう、商工会議所自身が政策能力を高めることが必要」といった自治体との関係強化に向けた意見が出された。
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