日本商工会議所はこのほど、4月の商工会議所LOBO(早期景気観測)調査結果とともに、「採用の動向(平成28年度見通し、平成27年度実績)」について、全国の中小企業にヒアリグした結果を発表した。平成28年度に「採用を行う」企業(全産業)は49.8%と、前年同月と比べ、ほぼ同水準。また「現時点では未定」とする企業は31.8%、「採用は行わない」企業は、18.4%となった。
採用を行う企業のうち、「正社員を採用」する企業は85.9%、「非正規社員を採用」する企業は、36.0%。採用する人数は前年と比較して正社員、非正規社員とも、「増やす」企業が増加し、過半数に達した。
平成27年度の採用実績については、「採用した」企業は61.1%、「採用しなかった」企業は38.4%となった。
ヒアリングした中小企業からは、「採用活動を始めているが、全国展開の大手企業を志望する学生が多く、例年より応募者を集めるのに苦労している」(電気工事)、「とにかく人手が足りない。正社員はもとより、パート、アルバイトも給与を上げて募集しているが、応募者が全くない」(飲食店)など人材確保困難を訴える声が聞かれた。また、「人手不足だが、無理して採用する考えはない。労働生産性向上のための設備投資を積極的に実行していく」(自動車部品製造)といった人手不足への対応策についての意見も寄せられた。
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