日本商工会議所の三村明夫会頭は9日、都内で石破茂・地方創生大臣と会談し、「人口減少対策には何より地域活性化が必要」と述べ、「まち・ひと・しごと創生本部」への期待を表明した。一方、石破大臣は「地方から文化を変え、民間が行政を変える。商工会議所の意見はじっくりとお聞きしたい」と応じ、今後の具体的な施策に商工会議所の意見を生かしていく考えを示した。
会談で、三村会頭は、「若者が地方で職を得て、安心して結婚し、希望どおりに子どもを産み育てられる環境を創ることが重要である」と強調し、「人口減少対策には、何より地方の活性化が必要」との考えを表明。「1800市町村の処方箋はそれぞれ異なる。全国514の会議所のうち、108の会議所が地域ビジョンを作っている。行政とは密接に連携する必要があるし、国との関係でもどのような援助が必要なのか、地方から発信していく必要がある」と述べ、商工会議所としても国と連携して地方創生を後押しする意欲を示した。
また、三村会頭は各地商工会議所が積極的に取り組んでいる婚活事業を紹介するとともに、「ニーズはある。お見合いが極端に少なくなったことも影響している。初婚年齢を下げる必要もある」との考えを表明。今月2日の全商女性連総会で採択した神戸アピールに触れ、「結婚して子どもを産んで、家族を持つことに喜びを見出す国民的な雰囲気づくりをすべきだ」との考えを示した。
石破大臣は、「国が地方に何かをしてあげるのではなく、地方のことは、地方で突き詰めて考えることが必要」と強調。「自らの『まち』をどうしていくのかについて、民間から意見を出してもらいたい。地方から文化を変えていかなければならない」と述べた。
また、観光と農業の問題について、石破大臣は、「地方にはまず『しごと』がなくてはならない。地元民はもっと地元の観光地を大事に考えるべき」と指摘。「農業の6次産業化は仕事と所得をつくる。観光もそうした考え方が必要だ」との考えを示した。
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