簿記、販売士、日商PC(文書作成、データ活用)検定試験の合格者の中から、平成25年度最優秀者5人にインタビュー。その横顔を紹介する。
簿記 第134回1級・25年6月9日施行
石原 久志氏
誤答の理由が重要
現在ビジネス系の専門学校で、税理士を目指している石原さん。
「1級は出題範囲が非常に広いため、全体を満遍なく学習することにとても苦労しました。得点が伸び悩み、挫折しそうになった時期もありましたが、1級合格を成し遂げたことで『やれば必ずできる』という実感を得ることができました」と振り返る。
今後受験する人には、「問題演習の誤答を単に見直しただけで終わらせず、間違えた理由を考えることが重要」とアドバイス。将来については、「税理士を志しています。一流の会計人に一日も早くなれるよう、より一層、学習と経験を重ねていきたい」と、その意気込みを語っている。
簿記 第135回1級・25年11月17日施行
伊藤 央真氏
簿記はスポーツ 努力の継続が大切
現在は、公認会計士として会計事務所に勤務している伊藤さんは、「日商簿記の学習を通じて得られた知識をもっと業務に生かしていきたい」と抱負を語る。
受験生には、「簿記はスポーツであると称されることがあるように、コツコツと努力を継続していくことが大切です。日商簿記は、企業の幹となる会計につながっており、経理部門でなくても必須となる知識を効率良く身に付けられます」とエールを送る。
販売士 第41回1級・26年2月19日施行
川久保 良隆氏
受験契機に目線が変化
IT関連会社で、ネットワークの運用や設計の仕事に従事している川久保さんは、将来、マーケティングに関する仕事をやってみたいという思いから受験。
「勉強を通じ、目線が変わってきました。例えば、普段の買い物の際にも、商品の陳列方法や価格、販売手法などを観察し、売り手側のメリットなどについて仮説を立てるようになりました」と、受験を通じた自身の変化について振り返る。
今後については、「単にプログラムやシステムの設計ができるエンジニアということではなく、経営に必要とされる高度なスキルや知識を持ったゼネラリストとして、新規事業の策定に携わったり、後進の育成にも当たりたい」と仕事の幅を広げていく意欲を語っている。
日商PC(文書作成) 1級・25年10月6日施行
菊地 直人氏
実践的な力 大きな自信に
専門学校でパソコンのアプリケーションソフトやビジネスマナーをはじめとする社会人基礎力育成に関する講師を務め、日商PC検定の受験指導もされている菊地さん。「1級では、白紙の状態から指示に基づき、文書を作成する能力が求められるので、今回の合格により、実践的な力が身に付いていることが証明されたことは、大きな自信になりました」と喜びを語る。
これから受験する人には、「過去問題を学習することも大切ですが、試験では単に『問題を解く』のではなく、お客さまや上司に向けて『仕事をしているのだ』という心構えで取り組むことが大切です」とアドバイスしている。
日商PC(データ活用) 1級・25年10月6日施行
関 武彦氏
教え子も全員合格
職業訓練校で講師を務めている関さん。訓練生から日々寄せられる質問に分かりやすく答えようといろいろと調べたことが、一番の受験対策になったとのこと。合格後は、自分が担当したクラスで日商PC検定の合格率が100%になるなど成果を上げている。
日商PC検定については、「『パソコンが使えること』ではなく、『パソコンを使って仕事ができること』を証明する資格です」と高く評価。「資格取得で得た知識を生かし、多くの訓練生が日商PC検定に合格し、仕事という生きがいを得て人生を歩めるよう、指導に当たっていきたい」と今後の抱負を語っている。
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