日本商工会議所の三村明夫会頭は13日、日本経済団体連合会の榊原定征会長、経済同友会の小林喜光代表幹事とともに、首相官邸に安倍晋三首相を訪ね、要望書「第三次安倍改造内閣に望む」を提出した。三村会頭は、「20年にわたるデフレの後遺症が残っている」と指摘。安倍首相が経済最優先を表明していることについて、「日本の成長力を上げていくことだと理解している。そのためには構造改革が必要」と述べるとともに、「安倍政権は構造改革を行う政権と期待している」と改革の断行を強く求めた。
(要望全文2面に)
日商の三村会頭はじめ各団体の要望を聞いた安倍首相は、「経済最優先」の考えをあらためて表明。一億総活躍社会に向けて今後の政策運営に取り組んでいく考えを示した。
日商の要望書「第三次安倍改造内閣に望む」では、「強い経済の実現は、0・5%程度とされるわが国の潜在成長率を引き上げるサプライサイドの成長政策にかかっている」と強調。地方の疲弊と人口減少という大きな問題を日本が抱えていることから、「アベノミクスの効果を中小企業や地方にまで行き渡らせ、持続的な経済成長を確実なものとし、これらの難題を乗り越えることが必要」と訴えた。
その上で取り組むべき政策課題として「民間主導の強い経済を後押しする事業環境の整備促進」「官民協働による地方創生の実現とそれを支える中小・中堅企業の活力強化」「少子化対策への重点化と徹底した効率化による社会保障制度改革の断行」「消費税の複数税率導入反対」の4点を主張。具体的には、安全が確認された原発の再稼働、TPPの早期発効と広域経済連携交渉の加速、規制改革の断行、法人実効税率の引き下げ、多様な働き方を推進する労働法制の実現などを求めた。
また、消費税10%への引き上げで一定期間は持続可能となるような社会保障給付の重点化・効率化、現役世代の少子化対策への財源の重点配分などを強調するとともに、消費税の複数税率については、社会保障財源の毀損(きそん)、対象品目の線引きの混乱、事業者の事務負担の増加などから導入すべきでないと改めて反対。低所得者対策はきめ細かな給付措置で対応すべきと要望した。
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