少子高齢化が急速に進む中、若年者を取り巻く雇用環境も厳しさを増している。今回の「挑む」では、日本の将来を担う人材を育成すべく、教育支援や協力活動などキャリア教育を活発に行い、顕著な功績を挙げている好事例を紹介する。
御坊商工会議所(和歌山県)は平成19年から毎年12月、御坊市内の和歌山工業高等専門学校、和歌山県、御坊市とともに、地域の小・中・高校生を対象としたロボットコンテスト「きのくにロボットフェスティバル」を開催している。同フェスティバルは、「高専ロボコン全国大会」において、平成18、19年の2年連続で同高専が準優勝したことをきっかけに企画されたもの。地域の青少年のものづくりに対する理解を深め、日本のものづくりの発展と人材育成に貢献しようと、毎年開催している。年々知名度も上昇し、平成26年度に実施されたフェスティバルには約8000人の来場者で盛り上がりを見せた。
当初、同フェスティバルは県内の学校のみの参加となっていたが、小・中学生の部は全国大会へと発展。また、高専ロボコン全国大会の優秀チームや、国内の有名メーカー、中国・韓国など海外からもゲストを招き、最先端技術を有したロボットのデモンストレーションを披露している。参加者だけでなく、来場者にもものづくりに対する興味の向上を図っている。
さらに、フェスティバルに参加した小・中学生が、同高専に進学したケースもあり、地域に根差した取り組みとしての評価も高い。今年のフェスティバルは12月20日に開催することが決定しており、未来の技術者たちによる熱い戦いから、今後も目が離せない。
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