日本海に面した山口県長門市仙崎は、県内屈指の漁業の町。フグ、ウニ、かまぼこなど全国に知られる特産品は数多い。その一つが、地魚・金太郎だ。標準和名をヒメジといい、魚体の赤い斑紋と長い2本の口ひげが特徴。欧州ではその色から「ルージュ」と呼ばれ、高級食材とされている。
「オイルルージュ」は、小ぶりの金太郎をオイルに漬け込んだもので、サラダやパスタ、リゾットに使ったり、オイルは肉料理のソースのベースにしたり、さまざまな料理にアレンジでき、プロの料理人にも大人気だ。
「オイルルージュの開発には2年を費やしました。金太郎は足が早く、すぐに臭みが出るし味も落ちるんです。でも、元々味が良く、だしがよく出るので、なんとか製品にしたいと思いました」と話すのは岡村英子社長。
朝取れの金太郎しか使わない、全て手作業で行う、調味料は塩とコリアンダーのみ、というこだわりから製造数が限られるため、常に在庫がない状態だという。
「子どもの頃、金太郎の干物や揚げ物は日々のおやつでした。今、こうしてオイルルージュを手にすると感慨深いです」と岡村社長。おやつから高級食材へ。美しくおいしい、まさに「大人の手土産」の誕生だ。
Data
社名:有限会社松浦商店(まつうらしょうてん)
所在地:山口県長門市仙崎1151-1
電話:0837-26-0855
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